◆第11回サウジアラビア
ロイヤルカップ・G3(10月11日、東京・芝1600メートル、良)
第11回サウジアラビアRC・G3は11日、東京競馬場の芝1600メートルで行われ、2番人気の
エコロアルバ(坂井)が直線一気の末脚で差し切り、1馬身半差をつけて無傷2連勝での重賞初制覇を飾った。出世レースを制した
モズアスコット産駒に年末の2歳G1が見えてきた。
道中の不安を吹き飛ばす豪脚でタイトルをつかみ取った。初戦と同じくスタートはひと息だった
エコロアルバは、最後方を進んだ3角手前で早くも手が動きはじめる。「進んでいかなくて不安になりました」と坂井が振り返るように暗雲が立ちこめたが、直線に入って手前を替えると別馬のような加速を見せた。「少しエンジンがかかったところで、これは勝つなと思った」。鞍上が確信を持つ上がり33秒2の末脚で前を行く7頭をごぼう抜きにした。
今年の千葉セリで7000万円の高額で落札された期待馬。田村調教師は「厩舎では勝ち負けと思っていた。いい位置からと青写真を描いていたので『これはまずい』と。3角でも追っつけていてかなりピンチと思いました」と苦笑い。「こちらが思っているのと違った面がある馬」とG1・3勝トレーナーも想定外のレースぶりで2連勝。原村正紀オーナーも「ヒヤヒヤしたけど、最後の400メートルしか力を出していない。すごい伸びだった」と興奮気味。衝撃的な勝ち方に大物の雰囲気が漂う。
過去10年の優勝馬から2、3歳G1を4頭が制した出世レース。指揮官は「今回の競馬を見ると適性は騎手やオーナーと相談したい」と朝日杯FS(12月21日、阪神)、ホープフルS(同27日、中山)の2歳G1を視野に入れる。馬名の由来は冠名+夜明け(スペイン語)。自身の未来を明るく照らす勝利になった。(浅子 祐貴)
◆サウジアラビアRC優勝馬のJRA・G1制覇 過去10年で4頭。17年
ダノンプレミアム、19年
サリオス、22年
ドルチェモアの3頭が朝日杯FSを制し、18年
グランアレグリアは桜花賞を勝った。同馬は20、21年マイルCS連覇などG1・6勝をマーク。
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エコロアルバ 父
モズアスコット、母スターアクトレス(父フレンチデピュティ)。美浦・田村康仁厩舎所属の牡2歳。北海道新ひだか町・藤原牧場の生産。通算2戦2勝。総獲得賞金は4078万7000円。重賞初制覇。馬主は原村正紀氏。