来春の短距離戦線を占う上で重要な2歳重賞、京王杯2歳S(GII)。東京競馬場芝1400mを舞台に行われるこの一戦は、
スピードと将来性を兼ね備えた素質馬が集結する。過去の傾向からは、キャリアや臨戦過程で取捨選択がハッキリするデータが出ており、今年も波乱の可能性を秘めている。
1.関西馬が優勢、関東馬は苦戦傾向
 過去10年のデータを所属調教師別で見ると、栗東(関西)所属馬と美浦(関東)所属馬で顕著な差が出ている。栗東所属馬は[8-7-4-35]で複勝率35.2%、さらに単勝回収率204%、複勝回収率129%と投資妙味も抜群だ。対照的に美浦所属馬は[2-3-6-69]で複勝率わずか13.8%、複勝回収率も42%と振るわない。馬券戦略の根幹として、関西馬を上位に取るべきデータだ。
2.臨戦過程は重要、休み明けが好成績
 GIIとはいえ2歳戦であり、レース間隔は重要な
ファクターだ。過去10年で最も高い好走率を誇るのは「中9-24週」の馬で、[4-5-3-19]、複勝率38.7%、複勝回収率119%と素晴らしい成績を残している。一方、「中2週」は[0-1-1-15]で複勝率11.8%、「中3週」も[1-1-1-17]で複勝率15.0%と、間隔が詰まったローテーションは苦戦傾向にある。ある程度間隔を空けて、しっかり調整された馬が狙い目となる。
3.前走クラスで明暗、新馬・重賞・OP組が中心
 前走のクラス別成績では、格上のレースを経験してきた馬が順当に結果を出している。前走GIII組は[4-5-3-22]で複勝率35.3%、OP組も[3-2-3-25]で複勝率24.2%と安定している。また、前走が新馬戦の馬も[3-1-1-17]で勝率13.6%、複勝率22.7%、単勝回収率は353%、複勝回収率も122%と良好。一方で、前走1勝クラス組は[0-0-1-12]で複勝率7.7%、未勝利組も[0-2-2-28]で複勝率12.5%と、昇級の壁に苦しんでいる。中心は前走新馬戦、重賞、OP特別組から選ぶのが
セオリーだ。 
ダイヤモンドノットは栗東所属で、データ上優位に立つ。前走はOPのもみじSで1番人気で連対(2着)。前走1番人気馬は[7-5-1-22]で複勝率37.1%と信頼度が高い。中2週のローテーション(複勝率11.8%)は割引材料だが、栗東所属(複勝率35.2%)という強データもあり、総合力で上位と判断した。