「アルゼンチン共和国杯・G2」(9日、東京)
 ローシャムパークが宝塚記念15着からの巻き返しに臨む。前走後、喉の疾患の手術を敢行。術後は慎重に乗り込みを重ね、態勢を整えてきた。昨年の大阪杯2着などトップクラスの力は証明済み。伝統のハンデ戦で、悲願のG1奪取へ向けた新たな一歩を踏み出す。
 昨年は大阪杯で2着、米国のBCターフで2着と、
ローシャムパークはG1で存在感を見せてきた。ただ、いずれも首差で、あとひと押しの惜敗。その“ひと押し”を阻んでいたのが、喉の疾患だった。田中博師は「喉鳴りとは違って、呼吸困難の症状(DDSP)。昨年から波がありつつ兆候はあって。(前走の)宝塚記念の時もひどくて。それで手術を決めました」と説明する。
 前走後に手術を行い、無事に終えた。「オペが成功したのか症状は緩和し、息継ぎは改善しました。完全ではないけど、症状が大きく目立つことはなくなった」。復帰に向けては状態を慎重に見極めつつ、10月上旬の帰厩から美浦Wと坂路で乗り込んできた。2週前にはWで
ミッキーファイト(牡4歳オープン)と併せ馬。1週前にはWで3頭の内に併せ、6F80秒3。ラスト1Fは強めに追われて12秒0で力強くフィニッシュした。
 この動きに師は「物足りないというか。動き切れていない」と、求めるものが大きいだけに辛口な評価。「もっとうなるようなタイプの馬なのに。もう少し気持ちが入る方が。レースまでに気持ちをつくるように」と精神面の強化を図り、さらなる上昇を期待する。
 疾患を抱えていても、G1級の力を見せてきた
ローシャムパーク。喉の手術により本来の力を出せれば、ここは通過点。試金石の一戦に臨む。