「第42回マイルCS」の追い切りが19日、東西トレセンで行われた。昨年王者
ソウルラッシュは1週前のCWコースでしっかり負荷をかけられ、当週は坂路で単走と昨年と同様のパターンで挑む。骨折明けだった前哨戦の富士S3着をひと叩きし本領発揮の秋2戦目。得意の京都で史上7頭目の連覇を狙う。前走毎日王冠を制した重賞4勝
レーベンスティールは美浦Wコースでしまい重点。ラスト1F11秒6とスムーズな加速で好調をアピールした。
小雨が降り続けた栗東。連覇が懸かる
ソウルラッシュは水分を含んだ馬場の坂路で単走追い。序盤は折り合い重視で進め、徐々に加速。馬場の真ん中を力強く駆け上がるとゴール前は軽く気合をつけて、グイッとひと伸び。筋骨隆々の体を大きく使いながら、余力十分に4F53秒7〜1F12秒1を刻んだ。その様子を見守った池江師は「(指示は)昨年の当該週の追い切りと同じイメージで」と前置きした上で、「今年は雨が降ったので馬場が重たかった。ほぼ時計は(4F53秒5〜1F11秒9で)同じぐらいだったけど、ラスト1Fの反応や、はじけ方は馬場が軽くて走りやすかった昨年の方が良かった」と比較。素直な心境を明かした。
それでも昨年と同様、併せ馬でビッシリ負荷をかけられた13日の1週前追いはこの日の栗東CWコースで最速タイのラスト1F10秒9をマーク。骨折明けだった秋初戦の富士S3着を使われ、確実に気配は上向いている。「やれば(調教は)いくらでも動く。あまり休み明けは走らないタイプで、前走と比べて背中の
バランスが良くなっている」としっかり良化も伝えた。
舞台は【2・1・1・0】と安定感が光る京都マイル。当レースは4年連続の参戦で阪神開催だった22年4着を除くと23年が2着、昨年が1着と結果を出している。一瞬の
ギアチェンジを求められる展開は得意ではなく、下り坂を利用しながらスムーズに加速できる京都外回りは最も適した舞台。「直線でだらだら勾配が続くような東京の坂はあまり得意としない。エンジンのかかりが悪い面があり、勝負どころで置かれるけど、下り坂の京都ならその辺を補える」と胸を張った。
鞍上は初コンビを組んだ3走前のドバイターフで香港最強馬
ロマンチックウォリアーに競り勝つ神騎乗で話題をさらったC・デムーロ。指揮官は「普通は(馬の特徴を)見たり聞いたりしているだけではできないと思うが、それをやるのだから凄い」と技術の高さに驚くばかり。20&21年
グランアレグリア以来、史上7頭目の連覇に向けて「なかなか難しいけど、クリスチャンなので非常に楽しみです」と期待を膨らませた。
次戦は既に招待を受諾している香港マイル(12月14日、シャティン)と発表されているが来年8歳。現役生活はそう長くはない。近い将来に訪れるであろう種牡馬としての価値を高める。
≪7歳馬初V&7頭目連覇へ≫7歳馬
ソウルラッシュが勝てば史上7頭目のマイルCS連覇。今年に入ってからではスプリンターズSを制した8歳馬
ウインカーネリアンに次ぐ高齢馬のJRA・G1制覇となる。マイルCSは09年に8歳馬カンパニーが勝利を収めたが7歳馬に限定すれば【0・0・0・39】と馬券絡みがなく、08年カンパニーと12年
シルポートの4着が最高着順。今年7歳馬は
ロングラン、除外対象の
タイムトゥヘヴンを合わせ、3頭が登録している。