マイルCSを制したジャンタルマンタル(右)とガイアフォース
「マイルCS・G1」(23日、京都)
完全無欠の王者が誕生だ。1番人気に支持された
ジャンタルマンタルが堂々たる横綱相撲でラ
イバルを蹴散らし、1分31秒3のレースレコードで同一年春秋マイルG1制覇を達成。これで朝日杯FS、NHKマイルC、安田記念、マイルCSと牡馬が出走可能なJRA芝マイルG1・4競走の完全制覇となった。2着は4番人気の
ガイアフォース、3着には15番人気の
ウォーターリヒトが入り、連覇を狙った
ソウルラッシュは6着に敗れた。
大混戦となった2着争い。しぶとく抜け出したのは4番人気の
ガイアフォースだった。道中は
ジャンタルマンタルの直後につけて、じっくりと脚を温存。直線では内に進路を取り、
トウシンマカオと
エルトンバローズの間を割って抜け出すと、最後は外から追い込んできた
ウォーターリヒトを鼻差でしのいだ。
24年フェブラリーS、今年の安田記念に続くG1で3度目の銀メダル。前走に続いてコンビを組んだ横山武は「理想はもう1列前でしたけど、スタートの出がもともと速くないので。でも、しまいは手前を変えてから、脚を使ってくれました。勝った馬が強かったですが、富士Sでの(斤量)2キロ差がなくなっても、しっかり食らいついて、とても頑張ってくれたと思います」と力を出し切った相棒をたたえた。
杉山晴師は「ジョッキーは富士Sのように
ジャンタルマンタルの前で競馬をしたかったと言っていたが、前走とはペースも違っていたから。最後は脚の違いを見せられましたね。(今後は)馬の様子を見てから」と振り返った。国内外で10度目となるG1挑戦でも勲章をつかむことはできなかったが、6歳秋でもトップクラスの実力を示す奮闘劇だった。