「第30回東京スポーツ杯2歳S」(G2)が24日、東京競馬場で行われ、3番人気
パントルナイーフが差し切って連勝。昨年は、後のダービー馬
クロワデュノールが制したクラシックを占う一戦で、重賞初制覇を飾った。鞍上のルメール(46)、管理する木村哲也師(53)はともに
イクイノックスで制した21年以来、当レース2勝目となった。
木村厩舎からまた1頭大物候補が現れた。
パントルナイーフが“先輩”
イクイノックスも制した出世レースをV。名馬の主戦でもあったルメールは「(この馬にも)いい未来がある」とさらなる活躍を“確約”。続けて「重賞を勝ったけど目標はG1。若いけど、まだ良くなる。いい馬だよ。また強くなったら
トップレベルで走れる」とパートナーの確かな素質を実感していた。
リーディング争いを先導する名手の腕が光った。好位を取らんばかりの好スタートを決めたが、ペースが速いと見るやいなや、中団へポジション
チェンジ。ペースが緩んだ3角過ぎから徐々に位置を上げ、4角では絶好4番手だ。直線半ばでスパートすると、
パントルナイーフは鞍上の鼓舞に応えるように鋭伸。外から伸びた
ゾロアストロの猛追を頭差しのいだ。
今年の重賞11勝目。通算170勝目と驚くべき成績を残しているルメールは「ポジションが良かった。道中は
リラックスして走ってくれたね」と愛馬の様子を説明。「坂を上ってからも手応えは良かった。フル
スピードを要求したら、もう一段階
ギアアップ。最後まで頑張ってくれた」とパートナーの奮闘を称えた。
デビュー戦(2着)はやや折り合いに苦労。前走はゲート入りを嫌がるなど、近2走は気性面の課題が浮き彫りとなっていた。ただ、今回は幼さを見せずにスムーズな競馬で初タイトル奪取。ルメールは「デビュー戦の時はチョー子供だった」と当時を振り返りつつ「レースごとに強くなって自分の仕事が分かってきた」と着実な進歩に胸をなで下ろした。
木村師は「いつも通り、まずはレースが終わって無事がどうかを確認したい」と次走について明言しなかったが、大舞台に向けて大きな1勝となったことは事実。馬名の由来は近代
アートの
ジャンル「素朴派」(フランス語)。名トレーナーは輝かしい未来予想図を描いているに違いない。
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パントルナイーフ 父
キズナ 母アールブリュット(母の父
マクフィ)23年4月9日生まれ 牡2歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・キャ
ロットファーム 生産者・北海道新冠町の新冠橋本牧場 戦績3戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金4704万1000円