マスカレードボールとのたたき合いを制したカランダガン(中央左)=撮影・園田高夫
「
ジャパンC・G1」(30日、東京)
今年の欧州年度代表馬で4番人気に支持されたフランスの
カランダガンが、18年
ジャパンCで
アーモンドアイが記録したJRAレコードを0秒3更新する2分20秒3の驚異的なタイムでV。05年アルカセット以来20年ぶりの外国馬による勝利をつかんだ。
日本の総大将として堂々と戦い抜いた。1番人気の
マスカレードボールは2着。
カランダガンと500メートルに及ぶ激しいたたき合いを演じたが、わずかに頭差で屈してG1連勝とはならなかった。
道中は中団の外で折り合い、徐々に位置を押し上げる形。ただ、3〜4角で内にモタれる面を見せ、反応が一瞬遅れたのが痛かった。それでも外へ持ち出すと、直線は名勝負を演じた。ルメールは「いい勝負をしてくれました。彼は3歳で若いところはあるけど、能力がある。また次が楽しみです」と、さらなる飛躍に太鼓判を押した。
手塚久師も悔しさをにじませながら納得の表情だ。「(天皇賞・秋とは)真逆のペース。速い分、苦しくなって3角からモタれてしまった」と振り返りつつ、「
ナイスファイトだった。1回(前に)出てるんだけどなぁ。それでも後続は離しているから」と胸を張る。
最後に漏れたのは勝ち馬への敬意だった。「上には上がいるんだな。勝った馬はすごいよ。アウェーであの走り。やっぱり世界1位だと思った」。ゴール後にカラ馬を避けた
ダノンデサイルと接触して落馬するアク
シデントもあったが、「ジョッキーは大丈夫そうでした。今から馬を見てきます」と言い残し、厩舎へ向かった。悔しい銀メダル。それでもこの敗戦を糧に、
マスカレードボールはまた必ず強くなる。