飛んできた。世界の強豪がしのぎ合う、メイダンのホームストレッチ。横一線の激しい追い比べに、猛然と{horse=2006102929:レッドディザイア}が襲いかかる。粘り込みを図る昨年のドバイワールドC2着のグロリアデカンペオン。ウオッカと並んで、昨年の凱旋門賞3着のキャバルリーマンも追撃する。
しかしそのさらに外、トラックの大外を、強烈な末脚で日本の4歳牝馬が強襲。ライバル勢が止まって見えるほどの“ファイナルキック”を繰り出して、ゴール板の直前でグロリアをとらえた。
ペリエは「コーナーを回る時はズブかったが、直線の脚はとても良かったね。(昨年の)ジャパンC3着の時と同じくらいの力を出してくれた」と、ほおを緩ませた。スタートから4角を回るまで、14頭立ての13番手に待機。戦前の予想通りのスローペースだったが、世界の名手は慌てず騒がず。ディザイアの闘志に火がつくのを待ち、絶妙なステッキワークで鮮やかなV劇をエスコートした。そして「日本のファンにとってもうれしい勝利ですね」と、リップサービスも忘れなかった。
現地のテレビインタビューに答えた松永幹師は「能力は秘めていると思っていましたが、初めてでしたから」と控えめに喜びを表現。主催者側から最高峰のワールドCへの参戦を要請される可能性が高く「これから考えます」と、プラン変更の可能性も示唆した。
提供:デイリースポーツ