重賞未勝利でも格負けはしない。
ジャミールは安藤勝を背に、栗東DPで
サワノパンサー(4歳500万下)と併せ馬。6Fで1.2秒後方から追いかけ、馬体を並べたのは残り3F。ただ直線は手加減するような走りで、前へ出ようとしない。かわせないのではない。余力があるのに、かわそうとしないのだ。残り1Fで鞍上がステッキを振るって相棒にカツを入れ、攻め駆けする馬を相手に何とか併入に持ち込んだ。
時計は6F82.0-38.0-11.9秒。鞍上が気を許せば遅れていただろう。「並ぶまでは楽だったけど、なかなかかわさないね。本気で走らない。まあ、特別に動く馬じゃないから」と安藤勝も苦笑いだが、中身の濃い攻めができたことには納得する。「先週はビッシリとやらなかった。追い切ったあとも
フーフー言わなかったからね。きょうは1Fブッ叩いたし、多少言っていたよ」。こん身のステッキ2発が、パートナーをやる気にさせた。
レースでも同じような面を見せる。11戦連続3着以内の超堅実派だが、裏を返せば勝ち味に遅いタイプだ。前走も2着。昇級初戦でいきなりの重賞挑戦を考えれば大健闘にも映るが、抜け出してから遊んだところを内からかわされた。「確実には来るけどね」と、もどかしそうに話した。コンビ結成8戦目の今回、手の内には入れている。「見た目の派手さはないが、500万を勝ったときに重賞を勝てると思った」。
ファーストコンタクトで能力の高さが伝わってきたという。
長丁場を乗り切るために不可欠な自在性と操縦性の良さを兼ね備える。「距離もコースもオール
マイティー。折り合いもつく。どんな競馬でもできるし、レースがうまい」とGI獲りに力を込める。もう2着や3着はいらない。本気の走りで頂点を目指す。
提供:デイリースポーツ