名手がようやくターフに帰ってくる。落馬負傷で戦列を離れていた武豊騎手(41)=栗東・フリー=が、今週から復帰する見込みだ。先週は栗東トレセンに姿を見せ、調教を再開。「早く小倉に行きたい。いや、どこでもいいから早く乗りたい」と武豊は正直な気持ちをストレートに口にした。久しぶりに馬にまたがり笑顔を浮かべる名手。復帰できる喜びがにじみあふれていた。
3月27日の毎日杯で落馬。左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折と診断された。早期復帰を目指し、周囲のアドバイスも受けながら、さまざまな治療、リハビリを行った。だが、自身が思うほど順調には進まなかった。
復帰を目指したシンガポール航空国際Cのヤマニンキングリー、さらにダービーのヴィクトワールピサの騎乗も断念。「骨折は早く治ったけど、肩の関節部分が予想以上にダメージが大きかった」。焦る気持ちを抑え、黙々とリハビリ、トレーニングを繰り返した。「競輪選手かと思った」と振り返るくらいエアロバイクで汗を流す日々。そして、ようやくターフに戻る日が近づいてきた。
順調なら今週の小倉から復帰し、小倉記念ではスマートギアに騎乗する。サマーシリーズを盛り上げるだけではなく、凱旋門賞・仏G1(10月3日・ロンシャン、芝2400m、ヴィクトワールピサに騎乗)で世界へ、そして今年下半期に向けて大攻勢をかけていく。
提供:デイリースポーツ