「第55回京成杯AH・GIII」(芝1600m)は12日、中山11Rに14頭で争われ、2番手から抜け出した4番人気の{horse=2006103312:ファイアーフロート}が、迫るキョウエイストーム(7番人気)を鼻差を振り切り、1分32秒8のタイムで混戦を制した。鞍上の津村は2月に第2頸椎(けいつい)を骨折する大けがを負ったが、復帰後初タイトル。管理する東大出身の小笠師にとっても、JRA重賞初制覇となった。3着は5番人気のキョウエイアシュラで、1番人気のセイクリッドバレーは後方から伸びを欠いて9着に敗れた。
通常よりも長い写真判定。検量室のホワイトボードに7番の数字が書かれた瞬間に、津村の笑顔がはじけた。「大きい鼻差ですね」。ネックとなっていたのが気難しい気性。前走は新潟に滞在して落ち着かせたが、今回は直前輸送。陣営は中山の馬房を静かなところにするなどの対策を練った。「前走よりテンションは高かったが、抑える競馬はできたし、収穫はあった」と津村。効果は十分にあった。
「まだ4歳だし、これから良くなる馬。精神的に落ち着いてきてくれれば上でもやれる」と鞍上は将来性を高く評価する。今後のローテは未定だが、傑出馬不在で群雄割拠のマイル路線では一躍、注目の存在になった。
提供:デイリースポーツ