しなやかに、そして力強く。栗毛の馬体を弾ませた。オルフェーヴルは栗東坂路でフロッティ(3歳未勝利)と併せ馬。ラスト1Fがエラーのため、全体時計は計時されなかったが、テンからの3Fは14.1-13.0-12.5秒のラップ。ラスト1Fで鋭い反応を見せ、2馬身半ほど先着を果たした。パートナーの時計から換算すると、ラストは12.2秒、全体時計は4F51.9秒前後。動き、数字ともに文句なしだ。
全兄ドリームジャーニーの主戦も務める鞍上は性能の高さを感じ取る。「ドリームジャーニーと違って、こちらはピッチ走法じゃない。柔らかく走る。距離は問題ないし、前回が内容のある勝ち方。今回も折り合いをつけること。それが一番」と口元を強く結んだ。
池江師も納得の表情だった。「折り合い重視の追い切り。ラストの伸びは素晴らしいものがあった。いい状態で出せる」。決戦の地を東京に移すことにも「コーナー4つの小回りは持ち味が生きないと思っていた。東京で1回走っている(京王杯2歳S10着)けど、あのころは若かった。むしろ中山よりも歓迎だと思っている」と好転ととらえる。
主戦は目を輝かせた。「ボク自身、牡馬クラシックはひとつも獲らせてもらっていない。この馬は獲れるだけの力を持っている」。パートナーの末脚を信じ、混戦模様の第1冠を制す。
提供:デイリースポーツ