世界の名手と頂点に挑む-。皐月賞4着のデボネアのオーナーは、ドバイのシェイク・モハメド殿下。外国人馬主の所有馬としては初めての参戦となり、注目を集めている。しかも、殿下が率いるレーシングチーム・ゴドルフィンの主戦、ランフランコ・デットーリ騎手(40)の鞍上が決定的。現在はJRAに申請中の短期免許の取得を待っている段階で、25日にも正式に発表される見込みだ。来日が実現すれば、06年ジャパンC(ウィジャボードで3着)以来、5年ぶりとなる。
レースを心待ちにしているという殿下。初来日の契機となったハイホーク(83年ジャパンC13着)、そしてシングスピールの血を引く愛馬が、出走することに、縁を感じずにはいられないようだ。代理人を務めるジョン・ファーガソン氏は「03年ドバイワールドCの勝ち馬である伯父ムーンバラッドは、02年英ダービーでも3着に好走していることから、血統的に距離延長に不安はなく、より期待できそうだという話をされておりました」とコメントする。
オーナーの期待に応えるべく、厩舎サイドも全力を尽くしている。1週前追い切りでは、通常より負荷のかかる栗東CWにメニューを変更する熱の入れよう。6F80.6-12.7秒(一杯)をマーク。沈むような走りで文句なしの動きを披露した。中竹師は「タキオン産駒の大型馬で脚元が反り気味だったので、怖くてやれない面もあったが、ダービーではそんなことも言ってられない。折り合いも佐藤哲Jが教え込んでくれたので、距離の心配はしていない」ときっぱり。2歳戦を行うようになった46年以降、1勝馬のVはないが、世界の名手とのコンビで歴史を塗り替えるか、注目だ。
提供:デイリースポーツ