飛躍の秋を予感させる動きだった。トーセンラーは美浦から駆けつけた蛯名を背に栗東CWで併せ馬。僚馬ネオヴァンドーム(4歳オープン)を1馬身前に見る形でスタートした。父ディープインパクト譲りの小さな体をフルに使った、大きなフットワーク。鞍上の思いのままにピタリと折り合って、4角で内へ入る。最後は馬なりのまま並びかけて、6F84秒4-38秒8-12秒0でフィニッシュした。
「前回(セントライト記念)より、グッと気合が乗った感じ。体は大きくなっていないけど、走り方が弾んでたよ」。鞍下から伝わる好感触に、蛯名は表情がほころばせる。
藤原英師も「春はまだ弱かったし、震災の影響もあって、何とか出走にこぎ着けた形。夏の間に、骨格や筋肉など全てがしっかりと成長してくれたから。オルフェーヴルは強いけど、ラストの1冠は何としても獲りたい」と3冠阻止に意欲を見せる。どうしても譲れない菊の舞台。真っ向勝負で2冠馬に挑む。
栗東坂路でしまい重点に追われたダノンミルは、4F57秒0-12秒6で、ゴッドエンブレム(6歳1600万下)に半馬身先着した。「単走では集中力を欠くけど、きょうは併せ馬だったので、フラフラすることなく真っすぐ走っていました」と浜中は好ジャッジ。「内面は幼さが残るけど、全体的に成長していますから」と、好レースを期待していた。
提供:デイリースポーツ