栗東坂路での調整も最後となったブエナビスタ(右下)
粉雪の舞い散る金曜朝。ラストランを迎える女王
ブエナビスタが、栗東での最終調整に選んだのは坂路だ。2歳時から慣れ親しんだトレセンの雰囲気を確かめるように、雄大なフォームで駆け上がる。4F64秒7-46秒2-14秒6。気持ち良さそうに風を切る姿が、落ち着いた精神状態を伝えた。
松田博師は「状態は変わらない。最後だからってやることも変わらないよ」と穏やかな笑みを浮かべる。願うのは悔いのないレースだけ。「岩田に任しておけばいいさ。あとは無事に」と丁寧に言葉をつないだ。
師には愛馬のデビュー時から着け続けるネクタイがある。「験担ぎはしないんだけどな。男馬と女馬でネクタイだけは変えている。ブエナとジョワド(
ヴィーヴル)のときは、同じエンジ色っぽいネクタイをしているんだ」。最終決戦ももちろん変わることのない“勝負服”で臨むつもりだ。
提供:デイリースポーツ