第62回東京新聞杯・GIII(芝1600m)は5日、東京11Rに16頭で争われ、3番手の好位を追走した8番人気のガルボが、逃げ込みを図る4番人気のコスモセンサー(2着)をゴール前で首差捕らえ、重賞2勝目を挙げた。勝ちタイムは1分32秒8。さらに、2馬身半差の3着には、後方から追い込んだ7番人気のヒットジャポットが入った。なお、1番人気のダノンシャークはスタートで出遅れ、5着に敗れた。
好位を進み、残り2Fで2番手。鞍上の石橋脩騎手は後方に控える末脚自慢の4歳勢には目もくれず、前を目標に早めにスパートをかけた。「コスモセンサーにも乗せてもらったことがあって、力があるのは分かっていた。それにあの馬はこの時季がいいから。相手は前だと思った」。好判断がなければ、またしても届かずの2着だったかもしれない。「本当にうれしいね」と今年初の重賞Vを喜んだ。
「いやー、叩き過ぎて机が壊れそうだったよ」と、清水英師も興奮冷めやらぬ表情を浮かべた。「(内で)閉じ込められたら嫌だなと思っていたけどね。よく出てきた。まあ、勝つ時はすべてがうまくいくものだね」。10年シンザン記念以来の重賞Vは、2年1カ月の歳月をかけて手にした3勝目。「長かった」の言葉には実感がこもる。
「まずは勝利の余韻に浸らせて」と師は次走への明言は避けたが、春の最大目標である安田記念(6月3日・東京)へ向けての賞金加算に成功。執念でGIロードの扉をこじ開けたニューヒーローが、マイル王へと突き進む。
提供:デイリースポーツ