東日本大震災の影響で昨年の開催が全て中止になった福島競馬が4月7日、1年5か月ぶりに再開する。約42億円を投じたスタンド改修工事と除染作業は3月22日に終了。福島の経済を活性化し、安全と元気を日本中に発信するため、イベント盛りだくさんで開幕を迎える。
2010年11月21日以来となる開催のテーマは「再開、そして再会」。馬が走れば県外からも人が集まり、経済が活性化する。時任淳信場長は「人と人、馬と馬が再び出会う。競馬を始めることで復興のお役に立つことができれば」と固い決意を口にした。
今回の改修工事は安全面を徹底した。震災で崩落した中棟スタンド上層階の天井部は重量物を建物本体に固定し、ブレース材(たすき掛けの補強具)などを使用。施設整備課の都田裕二課長は「昨年と同規模の震災が起きても耐えられる」と耐震性向上に胸を張った。除染作業では約1万7000平方mのコースの芝を張り替え、砂は総量2700立方mを入れ替えた。場内の床面は高圧洗浄をかけ、それでも放射線量が低減されない部分は張り替えて対処した。最初の測定では毎時3マイクロシーベルトを超える場所もあったが、3月29日現在でスタンド内平均0.08、馬場内広場平均0.24、屋外観覧席・馬場柵前平均0.29。時任場長は「お客様に安心して来てもらえる環境、騎手や関係者が安心して馬を走らせられる環境を十分に整えられたと思う」と見解を語った。
第1回開催では売り上げの一部を被災地支援に拠出する。開幕週は土日ともに入場無料で、7日の昼休みには騎手による再開オープニングセレモニー、8日にはアントニオ猪木が来場。福島競馬場から安心と元気を発信し、東北を盛り上げる。
提供:デイリースポーツ