12日、北海道・苫小牧のノーザンホースパークで行われているJRHAセレクトセールで、上場番号68番・エアグルーヴの2004(牡、父ダンスインザダーク)が、国内セール史上最高価格となる4億9000万円で、“フサイチ”の冠名で知られる関口房朗氏に落札された。

　同馬の父ダンスインザダーク(その父サンデーサイレンス)は、今年の安田記念(G1)を制したツルマルボーイ(牡6、栗東・橋口弘次郎厩舎)、03年菊花賞(G1)を制したザッツザプレンティ(牡4、栗東・橋口弘次郎厩舎)と、G1馬を2頭輩出している。リーディングサイアーランキング(7月5日現在)においても、サンデーサイレンス(02年8月死亡)、ブライアンズタイムに次ぐ3位となっており、サンデーサイレンスの後継種牡馬として期待されている。

　同馬の母エアグルーヴ(その父トニービン)は、96年オークス、97年天皇賞・秋(共にG1)を制し、繁殖牝馬としても初仔から03年エリザベス女王杯(G1)を制したアドマイヤグルーヴ(牝4、栗東・橋田満厩舎、父サンデーサイレンス)を輩出している。2番目の仔イントゥザグルーヴ(牝3、栗東・伊藤雄二厩舎、父サンデーサイレンス)は現在3戦1勝の成績ながら、フローラS(G2)では1番人気に支持された素質馬。

　同馬を落札した関口房朗氏は、昨年の同セールにおいてもセトフローリアンIIの03(牡1、父サンデーサイレンス)を3億3000万円で落札している。今年に入っても、2月に米国・コールダー競馬場で開催されたファシグティプトン・コールダー2歳トレーニングセールで、母Hidden Storm(その父Storm Cat)の牡馬(牡2、父Fusaichi Pegasus)を450万ドル(約4億9000万円)で落札。さらに4月に英国・ニューマーケットで開催されたタタソールズ・2歳ブリーズアップセールで、母が92年度カルティエ賞最優秀2歳牝馬に輝いたLyric Fantasy(その父Tate Gallery)の牡馬(牡2、父Fusaichi Pegasus)を、欧州ブリーズアップセール史上最高価格の500,000ギニー(約9880万円)で落札した。

　なお、セレクトセールにおけるこれまでの落札最高価格は、02年に“トーセン”の冠名で知られる島川隆哉氏が落札したダンシングキイの2002(父サンデーサイレンス)で3億3500万円。国内セールの最高価格は、89年の2歳(現1歳)10月市場で落札されたサンゼウス(牡16、父トウショウボーイ)の3億5000万円。