栗東CWを3頭併せで追われたトーセンホマレボシ(右)とワールドエース
近3走は栗東坂路で追い切られていたワールドエースが、この日は栗東CWへ。3頭併せで長めから意欲的に追われた。先導役を務めたのは、ひとつ年上のダノンバラード(4歳OP)。トーセンホマレボシとワールドエースを引っ張った。
縦列状態から、4角で横並びに。ラスト1Fは重賞ウイナー3頭の激しい追い比べとなった。手応えは真ん中のトーセンが優勢だったが、内に潜り込んだワールドもしぶとく食らいつき、鼻面を並べてゴール板を突破。6F81秒1-37秒2-12秒1の好時計を記録した。
福永が好感触を伝える。「一番後ろから追いかけて、しまいビシッと。強い負荷をかけられたし、いい内容だったと思います」。理想的な内容に、史上初のダービー連覇を狙う池江師の声も弾む。「思い描いている通りの調整ができている。筋肉量が増えているし、落ち着きがあって、毛ヅヤもいい。間違いなく上積みはあります」と短期間でのパワーアップを強調した。
「一番ステータスの高いレース。父もダービーにかける思いは強かった」と福永。リーディングジョッキーに9度輝き、“天才”と謳(うた)われた父・洋一氏も、このタイトルを手にすることはできなかった。98年の初参戦から13回目。今年は過去最高ともいえるパートナーとともに大舞台に立つ。「人気馬で臨めるダービーは何回もないし、結果を出したい。僕もキングヘイロー(98年、2番人気で14着)のころとは違う。この(記者会見の)時点で緊張していたが、今は経験を積んで、どういう精神状態で臨んで、何をしなければいけないのかが分かっている」と力強くうなずいた。夢の実現へ、機は熟した。
提供:デイリースポーツ