フレールジャックは好内容の調教を消化(撮影:井内利彰)
今週は3日間開催に伴って、18日が全休。19日から今週が始まったのだが、追い切りは全休明け翌日の20日に集中。札幌開催が終了して、栗東へ戻ってきた馬も本格的な追い切りを始めていることで、今朝の朝一番は時計をとってもとっても追いつかない、そんな状況が続いた。
ウッドチップ馬場に関しては、18日の雨が多少影響している感じ。時折、調教に跨る安田隆行調教師は「このところ、まとまった雨が降っていなかったでしょ。ウッドチップが適度の水分を含んで走りやすい馬場になっているんじゃないですか」とコメントしている。
【坂路/4F51.9秒】
19日は全休明けということもあり、意図的に速い時計を出した馬が少ないような状態。馬場差を検証するには20日の追い切りで判断すべきだろう。20日の一番時計はスプリングサンダー(栗東・昆貢厩舎)の4F50.4秒。これに続いたのがダッシャーゴーゴー(栗東・安田隆行厩舎)の4F51.4秒。ともにスプリンターズSに出走予定の快速馬だが、この数字が出ているということは、馬場はごく標準だと判断してよい。
今週のききょうSに出走予定のメジャーミノル(栗東・南井克巳厩舎)は4Fこそ55.1秒と遅かったが、後半2Fが24.9〜12.2秒。終いの伸びは秀逸で、前走惨敗を払拭できる最終追い切りとなった。
なお今週の馬場差は19日、20日ともに先週と同じ『0.0秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
少し馬場が荒れると、坂の負荷もあって時計の掛かることがある坂路に比べ、平坦なCコースでは同じウッドチップ馬場でも時計の出方が違うことがある。今週はまさにそんな印象を受ける馬場であり、比較的速い時計をマークする馬が多かった。
それだけに速い時計が出ても「このくらいの動きは普通かな」と思う馬が多かったが、フレールジャック(栗東・友道康夫厩舎)だけは逆。時計自体は6F86.3秒と遅かったが、直線の伸びは鋭くて、まさに「弾ける」という感じ。
もちろん前半が16秒のラップで入ったため、1F12.2秒と伸びたのだが、前半折り合いをつけて走れることがこの秋のフレールジャックの成長点。騎乗していた大江祐輔調教助手は「折り合いがついて、最後は乗っていて本当に気持ち良かったですよ」と手応えを表現。予定されているポートアイランドS(9月30日阪神芝1600m)できっちり結果を出して、GIの大舞台へ駒を進めたいところ。
ちなみに今週の馬場差は、19日、20日とも先週より少し時計の速い『-0.7秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
少し非力なタイプが坂路だと時計を要するので、時計の出やすいポリトラック馬場を選択するといった感じの今週。先週に比べると追い切られた頭数は確実に増えている。
POG注目のヴレロワは、20日に武豊騎手を背に追い切り。アスターチャーリーとの併せ馬だったが、直線に向いて、鞍上の手がかなり動いていたが、ラスト1F手前から再び加速して、1F12.1秒。6F82.0〜5F65.1秒なので、特筆する速い時計ではないが、少しズルいようなところがあるようなので、ジョッキーが騎乗することで、時計は次第に詰まってくるのではないだろうか。
なお馬場差は19日、20日とも先週と同じ『0.0秒』で観測した。(取材:井内利彰)
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。