夏場は放牧に出ていた有力馬も続々と帰厩し、今週は秋華賞、来週は菊花賞ということで、G1レースに登録した馬の特殊ゼッケンがあちらこちらで見られた今週。
今週は9日が全休日となったため、追い切りの大半は11日に集中。その11日調教前に小雨がパラついた時間もあったが、馬場に影響を及ぼすほどのものではなく、台風の影響が残った先週の馬場はすでに回復している。
【坂路/4F51.9秒】
追い切り頭数の少なかった10日は目立って速い時計は出ていなかったが、11日は一番時計が
ツリーズオブホープ(栗東・坪憲章厩舎)の4F50.8秒。一番時計になる機会の多い馬だが、その際の数字が平均するとこのくらいなので、馬場は重くもなく軽くもなくといったところだろう。
今週の坂路で数字以上の動きが目立ったのは
ショウリュウムーン(栗東・佐々木晶三厩舎)。この秋はスワンSからマイルCSというローテーションが組まれており、9月27日にグリーンウッドから帰厩しているが、ふっくらした馬体で戻ってきたこともあり、とにかく順調に調教を消化。今朝の追い切りも4F52.9秒と全体の時計はごく普通だが、2F24.7〜1F12.3秒が抜群。現時点でこれだけの動きができれば、秋初戦となるスワンSでも、その走りが楽しみになる。
なお今週の馬場差は10日、11日とも先週から回復した『+0.4秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
テンから飛ばしていくと、6Fは81秒でも終い13秒台後半。そんな時計の配置が新馬や未勝利。それがオープン馬ともなれば、6F80秒でも終いは12秒台前半といった感じで、非力な馬や経験の浅い馬でなければ、ある程度時計が出るという馬場は先週から変わりない。
秋華賞組のCWで動きが目立ったのは
メイショウスザンナ(栗東・高橋義忠厩舎)。
ケイエスキングオーとの併せ馬だったが、道中は後方から追走して、直線で内へ。持ったままの手応えで前へ並びかけると、あとは突き放す一方。6F82.6〜5F66.7〜4F52.2〜3F38.1〜1F12.4秒という数字は攻め駆けする同馬にとっては特筆するのどの数字ではないが、騎乗した福永祐一騎手との相性が良さそうな走りがやけに気になる。
なお今週の馬場差は、10日、11日とも先週と同じ『-0.8秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
先週の当欄で記したことだが、今のポリトラック馬場は最後の直線でどのくらいの
スピード乗りかを見ることが重要。今朝の追い切りでも持ったままで
スピードに乗る馬、鞭で叩かれながら、やっと1F12秒を切る馬など、馬によって明らかに動きに違いがあった。これを調教欄で確認するにはラスト1Fの数字と追い切りの強さの関係を比較して、馬なりなのに1F11秒台という馬をピックアップすることが馬券に役立つ有効利用ではないだろうか。
ちなみに見た目に動きが良かったのは
ゴールデングローブ(栗東・藤岡健一厩舎)。5Fポッキリの追い切りにしては5F68.4秒は遅い数字だが、3F37.4〜1F11.3秒は実に切れのある動きに映っただけに、府中牝馬Sの初重賞挑戦になるが、ちょっと気になる存在になりそう。
なお馬場差は10日、11日とも先週と同じ『0.0秒』で観測した。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材:井内利彰)