始動戦で力を見せつけた2歳王者ロゴタイプ(左)=中山競馬場
「皐月賞TR・第62回スプリングS・GII」(芝1800m)は17日、中山11Rに16頭で争われ、朝日杯FS以来の復帰戦となった1番人気のロゴタイプ(美浦・田中剛)が正攻法の競馬でV。2歳王者の貫禄を見せつけた。道中は好位のインを確保すると、その後はリズム良く追走。勝負どころで馬場の良い外めへ持ち出し、弾けるようなフットワークで一気に先頭へ踊り出て、そのまま後続を追撃を完封。3番人気のタマモベストプレイ(2着)に1馬身半差をつける完勝で、クラシック制覇に向けて好スタートを切った。勝ちタイムは1分47秒8。さらに首差の3着には11番人気のマイネルホウオウが入った。なお、この上位3頭が皐月賞(4月14日・中山、芝2000m)への優先出走権を獲得した。
「アリガトゴザイマス。本番へ向けていい仕事ができた。あとは(皐月賞を)勝つだけ」とC・デムーロは日本語と英語が入り交じったヒーローインタビュー。兄M・デムーロの好騎乗で昨年の朝日杯FSを勝ち、JRA賞最優秀2歳牡馬に輝いた。春のクラシックも兄とコンビを組むことが決まっている。ソツなくワンポイントリリーフをこなした弟は、歓喜のジャンプオフまでサービスしてみせた。
田中剛師も手応えを感じ取る。「完勝です。ゴール前の脚は光っていた。びっくりしたというひと言だけ。勝つべくして勝ったのかな」と、普段は謙虚な姿勢を貫くトレーナーからは珍しく強気なコメントが飛び出した。
本番については「弥生賞組が相手かな」と、スプリングS組とは勝負付けが済んだと言わんばかりだ。「一戦一戦がトレーニング。一戦一戦を大事に」。はやる心を静めるように、口元を引き締めた。進化を続ける2歳王者が、04年ダイワメジャー以来、9年ぶりに関東へと皐月賞のタイトルをもたらす。
提供:デイリースポーツ