ベストターンドアウト賞を受賞したレッドレイヴンの青野調教助手(右)、美浦トレーニングセンター田辺場長(左)(撮影:佐々木祥恵)
第80回日本ダービーのパドックにおいて「ベストターンドアウト賞」(Best Turned Out Award)の審査が行われた。ベストターンドアウト賞とは、世界の主要GIレースのパドックにおいて実施されている「最も美しく手入れされた馬を担当する厩務員」の努力を称えて表彰するもので、日本では初めての実施となった。審査基準は『馬がよく躾けられ、美しく手入れされ、かつ人馬の一体感を感じさせる引き馬(リード)が行われているか』だったが、審査の結果、選ばれたのは、レッドレイヴンの青野泰允調教助手(藤沢和雄厩舎)。その表彰式が、5月29日(水)に、美浦トレーニングセンター場長室において行われた。
青野泰允調教助手のコメント。
「第1回のこのような賞を頂けて、大変嬉しく思います。以前、オーストラリアで働いていた時に友人が受賞したこともありますので、海外にこのような賞があるのは知っていましたし、厩舎の先輩がイギリスのインターナショナルSでこの賞を受賞(ゼンノロブロイ/川越靖幸調教厩務員)したというのも知っていました。馬主さんから大切な馬を預かっているので、馬主さんに対して失礼のないよう、常に馬をきれいにしておくようにという、藤沢先生から教えに気を付けて手入れをしました。
ダービーのパドックでは、自分の緊張を紛らわせるためもありますが、歌を歌いながら楽しく馬を引きました。歌はその時の気分で違いますが、ダービーのパドックで何を歌っていたのかはよく覚えていません(笑)。ブラシや櫛などは、厩舎のものではなく自分の手入れ道具を持っています。気持ちを切り替える意味で、競馬の時には競馬用の手入れ道具を使っています。道具にはこだわるというほどではありませんが、使っていて馬が嫌がるようなら、道具を別のものに替えたりはしていますね。
馬を引く時には、肩の横で引く、馬に対してきつくあたらず、引っ張り過ぎないように・・・と基本に忠実にすることを心がけています。レッドレイヴンは穏やかな馬です。競馬に行くと少しテンションが高くなるのですが、ダービーでは青葉賞の時より落ち着いていました。この賞を頂けたのは、馬のおかげですね。これからも、この賞を頂いたことに恥じぬように、精一杯、馬をしつけて、馬を丁寧に扱い、きれいに手入れをしていきたいと思います。ありがとうございました」(取材・写真:佐々木祥恵)