エクリプスS(英GI)を制したアルカジーム、今後は愛チャンピオンSから凱旋門賞へ(撮影:沢田康文)
7/9(火)より、フランス在住の競馬ライター・沢田康文氏による海外ニュースをお届けします。凱旋門賞参戦予定馬の動向や関係者インタビューなど、現地からの最新情報をお楽しみください。
◆6日、英国サンダウン競馬場で行われたエクリプスS(GI・芝2000m・7頭)は、J・ドイル騎手騎乗の1番人気アルカジーム(牡5・Rチャールトン)が人気に応えた。良馬場の勝ちタイム2:04.35。タタソールズ金杯、プリンスオブウェールズSに次ぐGI3連勝で、今後は愛チャンピオンSから凱旋門賞のローテーションが有力。ゴール前の斜行が審議対象となり、ドイル騎手は5日間の騎乗停止処分を受けた。2着にデクラレーションオブウォー。大きな不利を受けた3着マクハドラムはキングジョージへ向かう。
◆エクリプスSを回避した昨年の英2冠馬キャメロット(牡4・Aオブライエン)は休養へ。キングジョージ、インターナショナルS、愛チャンピオンSに登録も、現役引退を含めて今後は未定。
◆7日、仏メゾンラフィット競馬場で行われたメッシドール賞(GIII・芝1600m・6頭)に仏ダービー馬のアンテロ(牡3・Aファーブル)が出走。ダービー馬がこの時期のGIIIを走ることは異例だが、陣営は「次走に予定しているジャックルマロワ賞と同じ直線マイルのレースを経験させるため」と説明。初の古馬相手の実戦も、単勝オッズはダントツの1.3倍。主戦のO・ペリエ騎手が軽く仕掛けただけで危なげなく勝利し、夏の欧州マイル王決定戦へ弾みをつけた。秋はニエル賞から凱旋門賞の路線が有力か。
◆同日7日、ドイツのハンブルク競馬場で行われたドイツダービー(GI・芝2400m・19頭)は、今年4月にデビューしたばかりのラッキースピード(牡3・Pシールゲン)が優勝。勝ち時計2:27.87。手綱をとったA・シュタルケ騎手は08年以来となる通算6度目のダービー制覇。凱旋門賞を制したデインドリームと同じ騎手、調教師で今後に注目が集まる。また、南アフリカ最大の競走ダーバンジュライ(GI・芝2200m)は6日グレイヴィル競馬場で行われ、S・クマロ騎手騎乗のヘビーメタル(セン4・Sタリー)が優勝。クマロ騎手は黒人騎手として史上初となる栄冠を手にした。
◆先週末のレース結果を受け、英国ウィリアムヒル社は凱旋門賞の前売りオッズを変動し、アルカジームをオルフェーヴル、アンテロと並ぶ7倍の1番人気にした。日本ダービーを勝ったキズナは15倍の7番人気で、ラッキースピードはまだリスト入りしていない。
◆ドイツダービー前日のハンブルグ競馬場でJRAの交換競走が行われた。第4競走に組まれた準重賞のHanshin Cup(阪神カップ)で、日本でも騎乗経験のあるE・ペドロサ騎手が優勝。ハンブルクとの交換競走は平成9年から行われていて、今年が17回目。阪神競馬場では大阪ハンブルグCが施行されている。
◆元サッカーイングランド代表のM・オーウェンが、来年エキシビジョンレースで騎乗する夢をレーシングポスト紙の取材に明かした。競馬好きのオーウェンは馬主、生産者としても活動し、代表馬のブラウンパンサー(牡5・Tダスコム)は昨年の愛セントレジャーを3着。ジャパンカップにも登録し、一時は出走に前向きな姿勢も見せていた。
◆香港の2012、2013年シーズン年度代表馬にミリタリーアタック(セン5・Jムーア)が選出された。主な勝ち鞍にエイシンフラッシュを破った香港クイーンエリザベス2世C、シンガポール航空国際Cなど。(取材・写真:沢田康文)