最後まで、鞍上の手は動くことがなかった。前日からの降雨でぬかるんだ馬場にも、ウインフルブルームはフォームを乱すことなく、確かな脚取りで高速ラップを刻んだ。
4F54秒1-39秒6-13秒0のタイムに「やっぱり時計が出るね。何もしてないのに」と手綱を取った和田も頬を緩める。ストライドが大きいだけに、見た目や乗った感触よりも時計は速くなるが、「(4F)56、57秒くらい」(和田)の予定が、持ったままで54秒1が出た。これも出来のいい証拠だろう。
「前走よりも落ち着いているし、折り合いもついた」。その前走の朝日杯FSは、中1週での長距離輸送に加え、中山マイルの外枠。過酷な条件ながら、好位から3着に踏ん張った。「枠順次第だが、ミッキーアイルよりゲートは速いから、行ければ行くつもり」と逃げの手も画策する。「先々のために、賞金加算をしなくちゃね」。勝って賞金を積み重ね、クラシックの王道を歩むつもりだ。
メンバー最速上がりを繰り出して未勝利戦を勝ち上がったアグネスミニッツは、栗東坂路で上がり重点に追われ4F54秒0-40秒0、ラスト1Fは13秒2と上々の伸びを見せた。「(最後は)12秒台をと思ったが、馬場が悪かったから。動きは良かったよ」と河内師。「2000mを使った後の1600mだからね。この距離は忙しいかも」と、距離短縮を懸念していた。
提供:デイリースポーツ