松山康久調教師(70歳)の偉業を記念した植樹セレモニー(撮影:佐々木祥恵)
1月26日中山7Rに出走したコウジョウが1着となり、JRA通算1000勝を達成した松山康久調教師(70歳)の偉業を記念した植樹セレモニーが、美浦トレーニングセンターの事務所前で行われた。
セレモニーには、日本調教師会会長の二ノ宮敬宇調教師を始め、柴田善臣騎手、後藤浩輝騎手、松山康久厩舎スタッフらが参加。最初に松山康久調教師がキンモクセイの根元に土をかけると、参加各騎手や厩舎スタッフ、各調教師が次々とそれに続いた。その後「Horsemanship」と刻まれた記念碑の除幕式、及び記念撮影が行われた。
松山康久調教師は「開業以来1勝を挙げるごとに、その1勝の価値や重み、感動を胸に刻みながら38年間、調教師の仕事をやってきました。1勝、1勝の刻みがこんなに膨大な量と高さになるとは想像もしていませんでしたが、これもひとえに馬主様のご支援や厩舎関係者の協力、皆様の応援のお蔭と感謝しております。たくさんの人と馬に出会って、いろいろな良い思い出を作ることができましたし、大きな感動と素晴らしい栄誉も得ることができました。すべては馬のお蔭だと思っております。僭越ながら、この記念碑に刻ませて頂きましたHorsemanshipは、座右の銘として大好きな言葉の1つでございます。仕事も生活もすべてにおいて、このHorsemanshipを肝に銘じていこう、そういう言葉であります。本日はどうもありがとうございました」と、セレモニーの最後に挨拶をした。
また植樹されたキンモクセイは、松山調教師のリクエストによるもの。「仕事場の窓の外にキンモクセイの木があるんですよね。とても香りの良い木だなと思いまして、キンモクセイにしてもらいました」と、松山師は理由を語った。
積み重ねてきた1000勝の中には、3冠馬となったミスターシービー、ダービー馬ウィナーズサークルや、皐月賞馬ジェニュインなどの勝利も含まれている。名伯楽と言われた父・松山吉三郎調教師とともに、中央競馬の一時代を築いてきたと言っても過言ではないだろう。その名門・松山厩舎も、2月28日付けで解散となる。今週末が最後の競馬となるが、東京、京都、小倉の各競馬場に、16頭の出走が予定されている。「土曜は小倉、日曜日は京都、月曜日は東京競馬場に行く予定です」という松山師。ラストに向けて、師やスタッフが渾身の仕上げをしてきた馬たちの走りには、大いに注目したいところだ。(取材・写真:佐々木祥恵)