今週は13日夜から14日にかけてかなりの雨量があったものの、15日以降は好天だったので、雨が馬場に与えた影響はさほどないと思ってよいだろう。ただ、基準時計よりも速い数字が出ていた各ウッドチップ馬場に関しては、時計の出方が落ち着いている印象を受けるだけに、雨によって、標準的な馬場に近づいたという見方はできるかも知れない。
気温に関しては、朝一番こそかなり冷え込むものの、1時間もすれば日差しが強くて厚手のジャンバーが邪魔になるくらい。今週末からは最低気温に関しても高くなってくるようなので、いよいよ春がやってくるといったところだろう。
【坂路/4F51.9秒】
16日。一番時計は
ビッグアーサー(栗東・藤岡健一厩舎)が4F49.5秒をマークしているが、これに関して「予定通り」と藤岡健一調教師。やれば動く馬であることは間違いないが、自己ベストを更新しているのだから、この馬自身の成長が数字に表れているといってよいだろう。ちなみに、二番時計が
シュウジ(栗東・須貝尚介厩舎)の4F50.3秒。これと比較しても、
ビッグアーサーの時計にはかなりの価値があるといってよい。
17日。3月21日に中山競馬場で行われるフラワーCの出走を予定している馬が追い切り。チューリップ賞から中1週になる
ヴィブロス(栗東・友道康夫厩舎)は輸送や間隔を考慮した上で、4F56.4〜3F41.8〜2F26.8〜1F12.8秒とセーブした時計。動き自体は躍動感があって、決して悪くなかった。
ゴッドカリビアン(栗東・角田晃一厩舎)は単走だったが、4F51.8〜3F38.1〜2F24.9〜1F12.3秒。この数字は4F時計の自己ベストを大幅に更新しており、日増しに成長しているといった感じ。中山競馬場への遠征経験があるので、その点には心配がないし、出走叶えば、かなり面白い存在となりそう。
先週の馬場差が「-1.0秒」。今週は全体的な時計の出方を見ると、先週ほど速い数字が上位に並ぶわけではないので、16日、17日とも『-0.6秒』の馬場差で記録している。
【CW/5F66.5秒】
16日の朝一番は少し時計がかかる印象を受けた。しばらくその状態が続いていたが、
昨日のトレセンニュースでお伝えした
サウンズオブアース(栗東・藤岡健一厩舎)が好時計をマークして、徐々に時計が出るのかと思いきや、その後はさほどでもなかったので、同馬の状態がすこぶる良いという判断が適当ではないだろうか。
17日。この日も朝一番こそ冷え込んだものの、時間が経つにつれて、日差しの強さが感じられた。個人的に最も注目した追い切りが、前走逆瀬川Sを勝って、3連勝でオープン入りを果たした
ガリバルディ(栗東・藤原英昭厩舎)。次走予定の六甲S(3月26日・阪神芝1600m)に向けた1週前追い切りを行っている。
レースでも騎乗予定のA.シュタルケ騎手が跨って、1回目のハローがあけた時間帯に向正面から入場。
ダノンアンビシャスを追走して、直線は内から追い抜く形。道中の走りはかなり頭が低くて特徴的だが、追い出してからの伸びは思ったほどではなかった。もちろん時計的には5F65.6〜4F51.1〜3F37.2〜1F12.2秒と文句をつけるところはないが、もっと高いレベルを求めることができる馬のはず。
先週の馬場差が「-1.0秒」。今週は本文にも記したように、特定の馬に関しては速い時計が出ているものの、全体的には先週より時計を要した。よって馬場差は、16日、17日とも『-0.6秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は水曜に15-15程度の追い切りがあっただけ。馬場に関する影響を検証するほどの内容ではなかったが、天候や見た目を考慮して16日、17日の馬場差は『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は先週と同じくらいの追い切り頭数。適度に水分を含んだこともあって、グリップが利いて、しっかりと時計が出る馬場状態。その影響で3F36秒台が多数いるが、この点に関しては馬場が影響していると考えてよいだろう。なお馬場差は全体時計に対するものなので、16日、17日とも先週と同じ『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)