栗東へ入厩してからの追い切りも素晴らしい動きを見せるトロワゼトワル(写真奥、撮影:井内利彰)
今週から中京競馬が開幕。昨年の開幕週で新馬勝ちしたディーパワンサ(芝1400m牝)が阪神JF4着、ダンビュライト(芝1600m)が皐月賞3着などG1レースで結果を残している。そんなこともあってか、今年も開幕週から注目馬が揃っている。
下記で紹介した以外では、7月1日の芝1600mを予定しているフロンティア(栗東・中内田充正厩舎)。半兄にドリームパスポートがいる良血だが、先週の芝コースでの追い切りは併せ馬に遅れてしまったが、その相手が先週末の阪神芝1800mを圧勝したダノンプレミアム。そこを基準に考えれば、この馬も十分に新馬勝ちできるレベルにあるといってもよいだろう。
【7月1日(土) 中京芝1600m】
◆ミッキーマインド(牡、父ディープインパクト、母マイグッドネス、栗東・音無秀孝厩舎)
半兄ダノンレジェンド(父Macho Uno)は2016年JBCスプリントを含む、ダート重賞9勝を挙げた馬。半兄ダノングッド(父Elusive Quality)も先週の大沼Sで2着したように、ダートで活躍する血統ではあるが、全姉ミッキーグッドネスは芝で2勝を挙げており、決してダート一辺倒という血統でもないような気がする。
5月17日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩して、1週間でゲート試験に合格。その後は栗東坂路での追い切りを積み重ねており、安定した走り。4F53秒台ばかりなので、目立って時計が速いわけではないが、走りには余裕があり、やればもっと速い数字も出てくるだろう。あとは実戦でどれだけ走ることができるか。
◆アドマイヤアルバ(牡、父ハーツクライ、母エリドゥバビロン、栗東・須貝尚介厩舎)
2015年セレクトセール当歳で、3200万円で落札されている。半兄ローズクランス(父ネオユニヴァース)は芝で2勝を挙げている。須貝尚介厩舎のハーツクライ産駒といえば、2014年ドバイデューティフリーなどG1で3勝したジャスタウェイや2015年札幌2歳Sを制したアドマイヤエイカンなどがいる。
この中間はCWコースでも追い切りを消化しているが、基本的には栗東坂路での追い切り。6月21日は3歳未勝利との併せ馬で先行先着。時計は4F55.3秒と目立つ数字ではないが、時計を要する馬場だったので問題ない。むしろ4F目が最速になるラップを踏めた点を評価すべきだろう。鞍上は福永祐一騎手を予定している。
【7月2日(日) 中京芝1600m(牝)】
◆トロワゼトワル(牝、父ロードカナロア、母セコンドピアット、栗東・安田隆行厩舎)
母は現役時代に芝で3勝を挙げており、本馬が初仔。そして、新種牡馬ロードカナロアは現役時代に安田隆行厩舎で管理されており、その産駒でのレースはこの馬が初めてということになる。
入厩前の段階から安田隆行調教師の評価が高い1頭だったが、栗東へ入厩してからの追い切りも素晴らしい。6月14日の栗東坂路では4F52.8秒をマークして、当時3歳未勝利のウィッシュノートに楽々先着。そのウィッシュノートは週末の未勝利戦を勝ち上がっており、この追い切り評価は更に高まっている。6月21日のCWコースではレースでも騎乗を予定している福永祐一騎手が跨っての追い切り。古馬スマートガイアを追走して、内から楽々と先着。4F追い切りということで、54.2秒はさほど目立たない数字だが、その動きにはセンスを感じる。普通に走れば勝ち負け、まずそのレベルにあることは間違いない。
◆ローズベリル(牝、父キングカメハメハ、母モルガナイト、栗東・高野友和厩舎)
半兄ブラックスピネル(父タニノギムレット)も半姉モーヴサファイア(父ハービンジャー)もこの中京開催で新馬勝ちを決めている。そんなこともあってか、5月4日にゲート試験に合格した後は放牧に出て、ここに照準を合わせてきた。
6月9日にノーザンFしがらきから栗東へ再入厩。6月14日のCWコース、6月21日の栗東坂路では、いずれも川須栄彦騎手(レースは戸崎圭太騎手を予定)が跨っての併せ馬だったが、きっちり先着している。21日は4F56.5秒と全体時計は遅いが、4F目12.5秒は重い馬場を考慮すれば評価できる数字。兄や姉に続いて、新馬勝ちできるか注目してみたい。
(取材・写真:井内利彰)