音無師の期待も大きいインディチャンプ(撮影:井内利彰)
今週でメイクデビュー情報の毎週更新は終了。明け3歳からは「今週のメイクデビュー」はなくなるが、メイクデビュー自体は2回中山、1回阪神の開催まで続く。よって、明け3歳のPOG話題馬や良血馬などのデビュー情報については、栗東トレセンニュースで取り上げていきたい。
【12月28日(木) 阪神ダート1800m】
・メイショウテンモン(牡、父ディープブリランテ、母テンザンコノハナ、栗東・松永昌博厩舎)
母は現役時代に同厩舎で管理され、ダート中距離で4勝。そんな血統背景もあり「ダート適性が高そう」と松永昌博調教師。ゲート試験では、2F目のダッシュ力が上々で、短い距離にも対応できそうな器用さを見せた。
追い切りでは、12月13日のCWコースが速い時計。6F80.2秒は評価できても、終いの13.6秒はひと息。ただ初めてのトラック馬場での追い切りを道中から速いラップで追走していったことがその原因だろう。12月20日の栗東坂路では4F52.8秒、1F12.2秒。この動きを見ると、13日の追い切りでしっかりと負荷がかかり、動ける状態が整ってきたという感じだろうか。将来的にはもう少し短い距離がベストな印象も受けるが、この距離でも新馬戦なら仕上がり、能力ともにトップ。鞍上は幸英明騎手を予定している。
・アルジェント(牝、父Shamardal、母サマナケイ、栗東・安田隆行厩舎)
日本で活躍する父産駒にはフランスのモントルトゥー賞を勝ったエイシンエルヴィンなどがいる。入厩当初は安田隆行調教師のトーンもさほど高くなかったが、ここにきて「順調ですし、追い切るごとに良くなっていますね」と上昇中。
12月21日のCWコースでは新馬ナイトレインを追走して、最後は楽に先着。6F84.0秒、1F12.1秒という数字はさほど速くないが、動き自体は素軽く、しっかり動けるようになってきたという印象が強い。ゲート試験では2F目の時計が12.4秒と速かっただけに、すんなり先行すれば上位争いできるはず。鞍上は川田将雅騎手の予定。
・クードロア(牝、父ハードスパン、母タックスシェルター、栗東・斉藤崇史厩舎)
おじに2006年エルムSなどダート重賞3勝のヒシアトラス(父ティンバーカントリー)がいる母系で、父が新馬、オキザリス賞と連勝したダークリパルサーなどがいるハードスパンとなれば、やっぱりダートで期待したくなる。
本馬については「ダート適性が高いと思いますが、柔らかいキャンターをしますし、いい背中をしていますね」と斎藤崇史調教師。12月8日に栗東へ入厩してからは、坂路馬場での追い切りのみだが、13日には4F54.6秒、1F12.7秒。それなりの時計が出ているし、なにより母系の底力に注目してみたいところ。鞍上は和田竜二騎手が予定されている。
【12月28日(木) 阪神芝1400m】
・インディチャンプ(牡、父ステイゴールド、母ウィルパワー、栗東・音無秀孝厩舎)
おじに2011年安田記念を制したリアルインパクト(父ディープインパクト)、2017年クイーンエリザベス2世Cを制したネオリアリズム(父ネオユニヴァース)などがいる良血。新馬には慎重なコメントが多い音無秀孝調教師も「これは楽しみ」とかなり期待が大きい様子。
それもそのはず、追い切りでの動きは抜群。12月20日の坂路馬場では、先週のサンタクロースSを勝ったダンビュライトと併せて、1馬身遅れたものの、4F52.4秒をマーク。そして今朝25日は新馬勝ちしているフランツと併せて先着。4F51.9秒と20日にマークしていた自己ベストの時計を更に更新してきた。ステイゴールド産駒ではあるが、このスピード能力の高さは母系から伝わっている印象。あとはレースで普通に走ればといったところ。鞍上は松若風馬騎手の予定。
(取材・写真:井内利彰)