数字的にはごく標準だが、気負わずに走れていた点は評価できるアンコールプリュ(写真中央、撮影:井内利彰)
先週の栗東はかなり雨の影響を受けていたが、今週は一転して快晴が続いた。その影響で、ウッドチップも乾いており、先々週の走りやすい馬場へと戻っている印象。坂路、Cコースともに基準よりも速い時計が出ている。
気温に関しても、本当に肌寒いのは調教開始前だけで、その時間帯も動けば暖かくなる。8時を過ぎれば、日射しも強く、運動すれば汗をかくような陽気。今が一番動きやすい季節かも知れない。
【坂路/4F51.9秒】
28日。一番時計はレッドアヴァンセ(栗東・音無秀孝厩舎)の4F50.3秒。これと併せた相手が大阪杯に出走予定の同厩舎ダンビュライト。最初の1F目から12.9秒と飛ばしていくラップを踏んだため、最後は2頭とも13秒台を要したが、先着したのがレッド。この動きだけでダンビュライトが走れていないと決め付けるようなことはできないが、少し馬が立派な印象もあり、そのあたりが最後に切れる脚を使えていない要因かも知れない。
29日。一番時計はショウナンタイザン(栗東・梅田智之厩舎)とブルミラコロ(栗東・大久保龍志厩舎)の4F50.7秒。前日同様、全体的に時計を見渡しても、基準よりも走りやすい状態であることは変わりない。
先週の22日の馬場差は「+1.5秒」。今週は確実に基準よりも時計が出やすい馬場。とはいっても、坂路に関しては少し雨のなごりがあるようなので、今週の馬場差は28日、29日とも『-0.2秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
28日。時計を要していた先週に比べると、すっかりいつものCコースに戻ったという印象。ざっくりと記せば、6F83秒くらいの時計でも終いが11秒台できっちり伸びてくるような馬場。6F標識から4F標識の400m区間を15-15で脚をためれば、最後は楽に伸びてくることができる。そういった意味では、どんな馬でもこのくらいの時計では動けるので、終い11秒台だからといって、どれもこれも評価することはできない。
前半から速いラップを踏みながら、最後も鋭い動きを見せたのは、御堂筋Sの出走を予定しているテーオーフォルテ(栗東・藤岡健一厩舎)。さすが連勝している勢いを見せる感じで、6F80.4秒で1F11.9秒。最後も余裕のある動きで、昇級初戦のここでの走り次第では、これからの長距離戦線での活躍が楽しみになってくる。
29日。桜花賞(4月8日・阪神芝1600m)の1週前追い切りが多数行われており、他ニュースでも取り上げているが、ここではアンコールプリュ(栗東・友道康夫厩舎)。アドマイヤキングとの併せ馬に藤岡康太騎手が跨っての動きだったが、スムーズに折り合って、最後は相手をきっちり交わす動き。時計は6F82.0〜5F67.2〜4F52.8〜3F39.2〜1F12.1秒と数字的にはごく標準だが、気負わずに走れていた点は評価できる。
先週22日の馬場差は「+0.2秒」。今週は28日、29日とも基準よりも速い時計が出る馬場。ただ先々週のかなり速かった馬場に比べると、気持ち時計を要する。よって、今週の馬場差は『-0.9秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は28日に加用正厩舎の併せ馬が確認できた。馬場自体は先週の影響があって、走りにくい印象。よって今週の馬場差は28日、29日とも『+0.5秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数はかなり落ち着いた。馬場自体はクッションが利いて、走りやすい状態。馬場差は28日、29日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)