今週の栗東トレセンは5日の午後から雨が降り出し、6日は一日中雨が降っている状態。6日夜はかなり激しく降っていたが、7日の早朝にはすっかり止んでいた。6日は雨が降っていたこともあり、半袖では肌寒いくらいだった。しかし、7日は晴れる時間帯があったこともあり、少し蒸し暑く感じられた。
気温としては、まだ夏負けを心配するほどではなさそう。ただ、これから先の天候次第では体調が下降線に入る馬もいると思われるので、そろそろ季節別成績の数字を気にしてもよいかも知れない。
【坂路/4F51.9秒】
6日。一番時計は
メイショウヒサカタ(栗東・浅見秀一厩舎)の4F50.3秒。この数字は先週の水曜日一番時計と全く同じ。先週と違うのは、全体的な時計を見た時に、各ハロンごとのラップで11秒台が少ないこと。特に4F目で11秒台を踏んだ馬がいなかったという点は雨の影響があったかも知れない。
気持ち、時計を要する馬場状態だったにしても、動きが目立たなかったのは、宝塚記念(6月24日・阪神芝2200m)の出走を予定している
サトノダイヤモンド(栗東・池江泰寿厩舎)。今週の
エプソムCに出走予定の
スマートオーディンとの併せ馬だったが、どちらが長期休み明けなのか分からないくらいにこちらが劣勢。この中間は坂路でしか時計を出していないし、調整に苦労しているという印象しかない。
7日。一番時計は4F52.0秒の
サンビショップ(栗東・谷潔厩舎)。この時計だけを見れば、雨の影響を受けていると思ってしまうが、この日は4F目に11秒台をマークした馬がいたし、2F24.0秒という後半2Fで速いラップを刻んだ馬もいたくらい。よって、馬場は前日とさほど変わりない。
この日は音無秀孝厩舎の宝塚記念出走予定の2頭、
ダンビュライトと
ミッキーロケットが併せ馬。1F目から14秒前半の軽快なラップを踏んでいき、少しずつ加速しながら後半へ。2頭とも余力十分に馬体を併せたまま、同入でゴール。時計は
ダンビュライトが4F53.5〜3F39.1〜2F25.6〜1F12.8秒。
ミッキーロケットが4F53.1〜3F38.9〜2F25.6〜1F12.7秒とほぼ同じような数字だが、見た目には
ミッキーロケットの動きの方がより余裕があった印象。とはいえ、2頭ともいい状態で2週前追い切りを済ませている。
先週の馬場差は「±0.0秒」。今週6日は終日雨。7日もその影響が残る馬場だったので、今週の馬場差は6日、7日とも『+0.2秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
6日、7日とも共通しているのは、雨の影響もあり、長めから追い切る馬に関しては、前半をかなりセーブして、終いを伸ばす時計の出し方を選択していたこと。特に今週のレースを予定している馬に関しては、先週までの段階で状態が良ければ、今週は疲労を残さないことを最優先といった感じだった。
逆に今週がレースの1週前追い切りになるような馬は6Fからしっかり時計を出していたが、それらはやはり最後の1Fが失速気味。6F82秒なら、ラスト1Fは13秒前後。そんな感じの馬場イメージでよいだろう。
ただ、7日の2回目のハローが終了した時間帯には、ある程度時計が出る印象が残った。雨が降っていない状態でハローをかけ、重たいウッドチップが少し乾きつつあるといったところだろう。週末も雨が降れば、来週以降も今の重い馬場状態が残るかも知れない。しかし雨が降ってからの回復度合いを見れば、よほどの雨量にならないかぎりは、ちょっと時計を要するといった程度に収まりそう。
先週の馬場差は「-1.1秒」。今週に関しては、そこまで時計が出やすい馬場という印象はない。よって馬場差は30日、31日とも『-0.6秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は雨が降った影響もあり、6日に追い切り頭数が10頭を超えている。頭数としてはさほど多くないが、1頭が追い切ると、芝生の大きな塊が飛び、一気に馬場が悪くなる。調教時間終了直前に芝馬場を確認すると、それはもうひどい状態。かなり緩い状態だったので、時計も出ていない。今週の馬場差は6日、7日とも『+1.5秒』で記録している。
ポリトラック馬場の雨の影響もあり、先週よりは追い切り頭数が多くなった。時計の出方は安定。今なら雨が降った時に芝ではなく、ポリトラックを使うという選択があってもよいのかも知れない。今週の馬場差は先週に続いて『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)