【菊花賞】「伝説の新馬戦」から3頭目のクラシック勝ち馬となったスリーロールス/平成乱菊列伝

2018年10月17日 19:45

単勝オッズ19.2倍の8番人気スリーロールス(右の白帽)が制した2009年の菊花賞

 混戦が予想される今年の菊花賞。2009年の菊花賞は、多士済々なメンバーによる混戦模様から、単勝オッズ19.2倍の8番人気馬が勝利した。「平成乱菊列伝」、今回はスリーロールスをお届けする。

■夏に成長を遂げたスリーロールスが最後の一冠を制す

 スリーロールスは、2008年菊花賞当日の京都5レースでデビューした。4着だったが、1〜3着はアンライバルド、リーチザクラウン、ブエナビスタ。今も語り継がれる「伝説の新馬戦」である。

 翌春、アンライバルドは皐月賞、ブエナビスタは桜花賞とオークスを制し、リーチザクラウンもダービー2着とクラシックを沸かせた。対して、スリーロールスは3歳5月に500万下を卒業したに過ぎなかった。その後休養を挟み、9月に1000万下特別を4馬身差で快勝する。武宏平調教師は「8月に帰厩するとトモがピシッとしており、これなら菊花賞もいけると思った」と成長を感じ取る。ただ、神戸新聞杯ではリーチザクラウンが2着、アンライバルドが4着し、ライバルも順調な仕上がりを見せていた。

 菊花賞はダービー馬ロジユニヴァースは不在ながら、アンライバルドやリーチザクラウンのほか、神戸新聞杯勝ちのイコピコ、セントライト記念勝ちのナカヤマフェスタ、2歳王者セイウンワンダーといった多彩な顔ぶれが揃い、単勝人気は上位4頭が10倍を切るという混戦に。スリーロールスは19.2倍の8番人気だった。

 レースはリーチザクラウンが大逃げを図り、最内から好スタートを切ったスリーロールスは4番手の内を追走。1000m通過は59.9秒、リーチザクラウンと後続との差は広がる一方で2番手以降も縦長の展開となる。2度目の3コーナーでようやく馬群が詰まってくると、勝負は直線へ。残り200m、失速したリーチザクラウンとそれを追ったヤマニンウイスカーとの間をスリーロールスが抜け出す。直後、ターフビジョンに物見をして外へヨレるも、浜中俊騎手はムチを右から左へ持ち換え修正。最後は猛追したフォゲッタブルと並んでのゴールに見えたが、勝利を確信する浜中騎手は何度もガッツポーズし、喜びを爆発させた。

「最後までタメていけばいい瞬発力で伸びてくれるので、コースロスなく乗って折り合いに専念した」と浜中騎手が振り返る通り、道中は好位の内でじっくりと構え直線の末脚を活かすことで、ハナ差の勝利を掴んだのである。

 同一新馬戦から3頭のクラシックホース誕生は史上初。「伝説の新馬戦」から1年、最後に笑ったのはスリーロールスだった。

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