C・オドノヒュー騎手でデビュー予定のヴァンランディ(撮影:竹之内元)
先週行われたアルテミスSのシェーングランツをはじめ、2歳戦で3戦3勝と絶好調の藤沢厩舎。そんな藤沢厩舎が送り出す良血馬が今週もデビューを予定している。
今週から開催が変わり、京王杯2歳S・ファンタジーと2歳重賞が続々と行われるなか、実績馬に引けを取らない美浦の注目馬たちをご紹介。
◆クリッパークラス(牝、父スクリーンヒーロー、母ロイヤルクリッパー、美浦・武市康男厩舎)
異父姉のクリッパールートはダートで3勝。近親にオルフェーヴルの帯同馬として凱旋門賞に出走したアヴェンティーノがおり、3代母のRecessからはリストレーション(牝馬東京タイムズ杯)やダンスダンスダンス(皐月賞5着)などの活躍馬が出ている。ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、10月12日に再入厩。先週の追い切りは坂路で既走馬を追走させ、馬なりの手応えで3馬身ほど先着した。
「ひと追い毎に落ち着きが出てきた。無理に追わなくても楽な感じで動けているし、しまいに切れる脚を使えそうです」と武市調教師。11月4日、東京の芝1600mを石川裕紀人騎手で予定している。
◆シュヴァルツリーゼ(牡、父ハーツクライ、母ソベラニア、美浦・堀宣行厩舎)
Monsun産駒の母はドイツオークス2着、リディアテシオ賞3着、ヴェルメイユ賞4着など独伊仏のG1で実績を残した。叔父にSeismos(バイエルン大賞典)など一族には独伊のG1馬が並ぶ。1歳上の異父兄に現3戦2勝のゼーゲンがいる。「
ゆったりとしたつくりの好馬体。ディープインパクト産駒の兄とはタイプが違う。追い切りの動きも良く、素質の高さを感じさせます」と森調教助手。11月4日、東京の芝1800mを藤岡康太騎手で予定している。
(※サンデーサラブレッドクラブのホームページによると翌週にスライドすることも選択肢に入れられている)
◆マドラスチェック(牝、父Malibu Moon、母Gloat、美浦・斎藤誠厩舎)
今年のファシグティプトン・ザガルフストリームセールに上場され、50万ドルで落札された。3代母のMy Flagは米G1を4勝(BCジュヴェナイルフィリーズ、CCAオークス、アシュランドS、ガゼルH)。その産駒にエクリプス賞最優秀2歳牝馬のStorm Flag Flyingがおり、4代母のPersonal Ensignもエクリプス賞最優秀古牝馬に輝いている。当初は2週前のダート1600mを予定していたが、非当選除外でスライドした。
「背中がいいし、芝にも対応できそう。血統的にも能力はあると思います」と斎藤誠調教師。11月4日、東京の芝1600mを北村友一騎手で予定している。
斎藤誠厩舎からはワシントンテソーロ(牡、父Curlin、母War Tigress)もスタンバイ。こちらは11月4日、福島のダート1700mを鮫島克駿騎手で予定している。
◆ヴァンランディ(牡、父キングカメハメハ、母ハッピーパス、美浦・藤沢和雄厩舎)
コディーノ(札幌2歳S、東スポ杯2歳S)、チェッキーノ(フローラS)の全弟として血統的にも注目の良血。前週にも取り上げたが、僚馬のルヴォルグ(デビュー勝ち)と入れ替わる形でスライドすることになった。
ひと追い毎に時計を詰めており、10月24日の追い切りはウッドチップコースで古馬を相手に4F53秒台の時計をマークしている。レイデオロが天皇賞・秋を勝ち、2歳世代も勝ちまくっている藤沢和雄厩舎の勢いは今週も目が離せない。11月4日、東京の芝1800mをC・オドノヒュー騎手で予定している。
(取材・文:竹之内元)