アナザーラブソング騎乗予定の鮫島克駿騎手は追い切りにも騎乗(写真、撮影:井内利彰)
2018年のメイクデビューも残すところ僅か。そうなると気になるのは年明けのメイクデビューの出走状況。先週末の開催前時点での2歳新馬は美浦と栗東を合わせて700頭超え。そして先週末にデビューした馬が134頭なので、今週の時点では600頭弱といったところ。
この頭数がすべてデビューするためには、フルゲートで16頭立てになるレース数が37.5が必要というのが単純計算。しかしながら、馬によって出走したい番組は異なるわけだし、やはり2019年の年明けメイクデビューも除外ラッシュという状況になりそうな感じがする。
【12月22日(土) 阪神芝1800m】
◆リスト(牡、父ディープインパクト、母シルヴァースカヤ、栗東・池江泰寿厩舎)
全兄に未勝利から1600万下まで4連勝し、その後は重賞出走を予定するも屈腱炎で現役引退したシルバーステート。本馬は2017年セレクトセール1歳にて、2億6000万円という超高額で落札されている注目馬。
ただ、11月末にノーザンFしがらきから栗東へ戻ってきてからの追い切りの動きはさほど目立たない。12月6日のCWでは先週デビューしたルデュックに遅れ、12月12日のCWでも古馬1000万下を追いかけて遅れている。相手が動いたというよりも、こちらの動きが少し足りないといった印象。しっかりと負荷をかけられているので、これが刺激になって、最終追い切りで動けるようなら。鞍上は武豊騎手が予定されている。
◆サクセスクルーズ(牡、父ドリームジャーニー、母サクセスアイニー、栗東・北出成人厩舎)
同厩舎で管理されている半兄サクセスエナジー(父キンシャサノキセキ)が今年のかきつばた記念、さきたま杯といった交流重賞を勝っていることから、勝手にダート向きと判断していたが「馬のタイプは全然違う」と北出成人調教師。
12月13日のCWでは、同じ2歳同士ということもあったが、1秒以上追走して、ゴールでは4馬身の先着。動きはかなりしっかりしている。12月16日の坂路でも15-15を消化しており、その後の調整も順調。あとは芝でどれだけのパフォーマンスを見せてくれるか。鞍上は13日の追い切りにも騎乗した松田大作騎手が予定されている。
【12月23日(日) 阪神芝1400m】
◆アナザーラブソング(牡、父ハービンジャー、母オールザットジャズ、栗東・安達昭夫厩舎)
母は現役時代に福島牝馬Sを連覇した実績があり、おばには同厩舎で管理され、芝で1勝、ダートで2勝を挙げたピサノベッテル(父クロフネ)がいるが「馬のタイプは少し違いますね」と安達昭夫調教師。
追い切りでは抜群の動き。11月29日のCWでは単走で6F80秒切り、12月13日のCWではメイショウナリカクと併せて、相手がついてこれなくなるような加速力を見せて、6F81.9秒、1F12.5秒で大きく先着してみせた。道中の行きっぷりを見ていると、やはり短い距離が合いそうなだけに、スタートさえ決めればスピードで押し切ることができるイメージ。鞍上は追い切りにも騎乗している鮫島克駿騎手が予定されている。
◆ダイヤクイン(牝、父クロフネ、母マイネカプリース、栗東・羽月友彦厩舎)
半兄スノードラゴン(父アドマイヤコジーン)は2014年スプリンターズSでG1を制覇。本馬は今回が3度目の栗東入厩となるが、以前は体質面、精神面ともに弱いところがあったが「今回は本当に順調。追うたびに良くなっていますし、ここまでじっくりと調整して良かったと思います」と羽月友彦調教師。
12月13日の坂路では新馬を追走して、最後は馬なりで先着。時計は4F53.8秒と平凡だが、動きに余裕がある点は評価できる。12月6日の坂路では追ってからしっかり伸びる動きも見せており、出走態勢は整っている。鞍上は藤岡康太騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)