「有馬記念・G1」(23日、中山)
“二刀流”を陰で支える職人だ。長沼昭利厩務員(55)が、担当馬
オジュウチョウサンを夢の舞台に送り出す。同厩務員の父は、76年有馬記念の覇者トウショウボーイを担当した昭二さん。暮れの
グランプリ親子二代制覇へ、期待に胸を膨らませる。
「相当な数を手掛けてきたけど、こんな馬はいない。大障害を走り終えて、他の馬がヘロヘロになっているのに、この子は
シャンシャンとしているんだからね」-。職人は愛馬の“スゴさ”を語る。
平地転向初戦となった2走前の開成山特別をV。続く南武特別も難なくクリアして有馬記念出走をたぐり寄せた。「(開成山特別)当時の仕上がりは70点。南武特別は80点。今回は触るのも怖いくらいで、一番の出来だった16年の中山大障害を目指してつくっているんだ」と状態面を分かりやすく説明する。
「とにかく負けず嫌い」というオジュウと迎えるひのき舞台。「相手は強い。でも東京と違って上がりの速い競馬にならない中山はいいし、ユタカくんも2回続けて乗ってくれている。見せ場以上を期待しています」と武者震いだ。日曜の決戦が待ち遠しい。(デイリースポーツ・刀根善郎)