牝馬三冠を達成したアーモンドアイがジャパンカップへ向かい、混戦となった第43回エリザベス女王杯。
1番人気に推されたのは連覇を狙うモズカッチャン。秋華賞をスキップして臨むノームコアが2番人気、モレイラ騎手を鞍上に迎えたリスグラシューが3番人気で続く。レッドジェノヴァ、カンタービレも含めた5頭が3.6倍〜7.7倍の間にひしめき合う上位拮抗の様相だ。
レースはクロコスミアがハナを切り、ミスパンテールとプリメラアスールが続く。前半1000m通過が61秒4というスローペースになる中で、ノームコア、モズカッチャンと上位人気2頭は好位を進み、レッドジェノヴァ、リスグラシューは中団からの競馬を選択。
3コーナー過ぎから、クロコスミアがじわっと差を広げ、リードを保ったまま直線へ向く。モズカッチャン、ノームコアが懸命に追うが、差は縮まらない。クロコスミアが惜敗した前年の借りを返したかに見えたが、外からリスグラシューが猛追。残り50mでクロコスミアを交わしてゴールに飛び込んだ。勝ち時計は2.13.1(良)。日本での初めてのGI制覇に、モレイラ騎手の右拳が小さく、しかし何度も振り上げられる。矢作調教師が「なんであんなにうまいのか」と唸った完璧なレース運びであった。
リスグラシューは、これがGI初制覇。8度目の挑戦、しかも4度の2着を経ての悲願の戴冠であった。