独オークス馬を母に持つハーツクライ産駒サリオス(撮影:下野雄規)
重賞格上げ以前の「いちょうステークス」時代から出世レースとして名高い存在で、昨年はのちの桜花賞馬グランアレグリアが、一昨年は最優秀2歳牡馬に選出されたダノンプレミアムが優勝している。
キャリアの浅い馬同士の1戦で難解だ。今回と同じ東京競馬場芝1600mのメイクデビュー東京を圧勝した◎サリオスは、独オークス馬を母に持つハーツクライ産駒。前半の半マイル51秒0、1000m通過63秒5というスローペースをピタリと折り合い、直線入り口で外に持ち出されると、そのままノーステッキで突き放した。2馬身差2着アブソルティスモが2戦目に勝利し、3着以下は勝ち馬から9馬身後方だったことからも、能力は高そうだ。534キロと恵まれた好馬体に加えて、半姉サラキアは昨年のローズS2着馬で、今春のエプソムC2着馬。将来性も十分だろう。
同じハーツクライ産駒の○クラヴァシュドール。こちらは、祖母パスオブサンダーがBCディスタフ優勝スペインの全妹という血統。阪神競馬場の芝1600m戦でデビューし半マイル49秒5、1000m通過61秒9というペースを中団で追走。追い出されて、やや反応が鈍いシーンもあったが、エンジンがかかると一気に抜け出して快勝した。
ハーツクライ×Giant's Causewayの配合はあまり例がないが、ストームキャット、ストームバード系に幅を広げるとウインバリアシオンやゴーフォザサミット、コレクターアイテムなどの名前も出てきて相性は悪くない。牝馬ながらに距離が延びて良さそうで、こちらも将来が楽しみだ。
前述の▲アブソルティスモはレイデオロの半弟。母系はレディブロンドからウインドインハーヘアにさかのぼるA級ファミリーで、血統的な期待は上位組と互角か、それ以上ともいえる。粘り強さを武器にするダイワメジャー産駒とはいえ、札幌での未勝利戦では追われて渋太いところを見せた。あの経験が、どう生かされるかも楽しみだ。
△エンジェルサークルと△ジェラペッシュは、デビュー戦では案外だったが、大きく体重を減らした2戦目で変わり身を見せた。まだ適正な馬体重は分からないが、今後のためにも注目したい。