管理する藤沢和雄調教師が「ディープの仔にしては筋肉質でガッチリ」と語るゼノヴァース(撮影:竹之内元)
武豊騎手のディープインパクト以来の制覇に沸いたクラシック最後の一冠菊花賞。19日の東京競馬では当欄で紹介したサトノクラウンの半弟フィリオアレグロがデビュー。
着差こそ半馬身だったが、3着には6馬身半差をつけての完勝。2着馬も先週当欄で紹介したレッドルレーヴ。上がり最速で迫った末脚からも早期の勝ち上がりが期待できそう。
さて今週はアーモンドアイとサートゥルナーリアの対決に注目が集まるなか、同日の新馬戦にはそのアーモンドアイの半弟など期待馬がデビュー予定。GIだけではなく、新馬戦にもご注目頂きたい。
【10月26日(土) 東京芝1600m】
◆サトノフウジン(牡、父ディープインパクト、母コンテスティッド、美浦・堀宣行厩舎)
2017年のセレクトセールに上場され、取引価格は2億1600万円。全兄にギベオン(中日新聞杯)、サトノルーラー(現3勝)がいる。
「まだ少しテンションの高さがあるけど、だいぶ落ち着きが出てきた。調教ではスピード感がある動きをしている。血統的にも素質の高さを感じさせるし、いかに落ち着いて臨めるかがポイントになると思います」と森調教助手。
鞍上は川田将雅騎手を予定している。
◆パイネ(牝、父ディープインパクト、母ミスアンコール、美浦・国枝栄厩舎)
2歳上の全兄ワグネリアン(昨年のダービー馬)は今週の天皇賞・秋に出走予定。その他にも兄姉はテンダリーヴォイス(アネモネS)やカントル(現2勝)など全て勝ち上がっている。
「線が細かったので成長を待った。小柄な牝馬で少し非力な感じはあるけど、まだまだ良くなりそう。当然、血統的にも期待しています」と国枝栄調教師。
鞍上はC.ルメール騎手を予定している。
【10月27日(日) 東京芝1800m】
◆ゼノヴァース(牡、父ディープインパクト、母リズムオブライト、美浦・藤沢和雄厩舎)
英国産の母は5カ国で走り、アメリカ、イギリス、トルコで計6勝。米G2・ゴルディコヴァS(芝8F)、トルコG2・国際イスタンブールトロフィー(芝1600m)を勝っている。近親にも欧米の重賞ウイナーが並ぶ。坂路とウッドチップコースで追い切りの本数を積み重ね、同日の天皇賞・秋に出走予定のランフォザローゼスと併せるなど仕上がりは上々だ。
「ディープの仔にしては筋肉質でガッチリとしている。ここまで順調に乗り込めているし、広いコースは合いそう。いい馬だし、期待しています」と藤沢和雄調教師。
鞍上はC.ルメール騎手を予定している。
◆サトノエスペランサ(牡、父ルーラーシップ、母フサイチパンドラ、美浦・堀宣行厩舎)
2017年のセレクトセールに上場され、取引価格は4968万円。同日の天皇賞・秋に出走を予定しているアーモンドアイ(国内外でG1を5勝)の異父妹にあたる。サンデーサイレンス産駒の母は2006年のエリザベス女王杯を2位入線からの繰り上がりで優勝しており、オークス2着、秋華賞3着などGI戦線で活躍した。
「歩様に少し硬さが出たので予定を延ばしましたが、目標を切り替えてからは特に問題なく乗れている。現状では幼い面を見せたりして心身ともに成長途上の段階。血統的にも素質は感じるし、いい状態に仕上げていきたいですね」と森調教助手。
鞍上はM.デムーロ騎手を予定している。
(取材・文:竹之内元)