底力も感じさせるサンクテュエール(撮影:下野雄規)
まだ歴史は浅いものの出世レースとして定着しつつあるレース。キャリアの浅い2歳牝馬にとっては過酷ともいえる東京競馬場芝1600mコースだけに、瞬発力はもちろん、スタミナや底力も要求されるレースだからだろう。
◎サンクテュエールはジークカイザー、ヴェルテアシャフトの全妹で、米国でウッドワードSやターフクラシックSに勝ったヨシダの半妹。母ヒルダズパッションは米G1・バレリーナSの優勝馬でもある。8月のデビュー戦はスローペースで流れる2番手から自身33秒6の末脚で2着馬に1馬身4分の1差で勝利した。母の父はゴーンウェスト系のカナディアンフロンティア。母系にゴーンウェストの血を持ったディープインパクト産駒には阪神ジュベナイルフィリーズに勝ったショウナンアデラもいるが、この馬の場合は兄たちの成績からは、もう少し距離があったほうが良さそうなイメージで、東京マイルに不可欠な底力も感じさせる。本命に期待した。
北海道の洋芝コースで新馬、クローバー賞を連勝してきた○オータムレッドはワールドエース産駒で、祖母ティッカーテープは日本からダンスインザムードが挑戦したアメリカンオークスの優勝馬。その曾祖母チャペルオブドリームスはストームキャットの半妹という血統だ。瞬発力争いになったときには少々分が悪そうだが、底力を問われるようなレースになれば台頭してきそうな血統馬だ。
出負け気味のスタートから、軽く気合をつけられる程度で後続を突き放した▲リアアメリアのデビュー戦は衝撃的だった。母リアアントニアは繰上げ優勝とはいえブリーダーズCジュベナイルフィリーズ優勝馬。今回は久しぶりの実戦に加えて、初の長距離輸送競馬でもあり、やや割り引いた評価となったが、あっさり通過するようなら来春の牝馬クラシックの中心となりえる1頭だ。
少頭数だけにあまり手を広げられないが、開幕週だったとはいえデビュー戦で32秒台の末脚を繰り出した△ラインオブダンス、2戦2勝△ルーチェデラヴィタのレースぶりにも注目だ。