2強ともに母がGI馬で父ロードカナロアという共通項を持つ。血統では甲乙つけがたい良血だ。(撮影:高橋正和、netkeiba.com)
アーモンドアイの母フサイチパンドラは、エリザベス女王杯勝ち馬。サートゥルナーリアの母シーザリオはオークス馬。現役時はマイル以下の大レースを勝ちまくったロードカナロアだが、種牡馬としては、スタミナに富む中距離型の繁殖牝馬とのあいだに2000mベストの大物を出している。2400mの大レースを勝ちまくったディープインパクトやハーツクライが、種牡馬としてはもっぱらマイラー型の牝馬との配合で大物を出しているのと逆の現象といっていい。
アーモンドアイは、トライマイベスト≒ロッタレース5×2。サートゥルナーリアは、ヌレイエフ≒サドラーズウェルズ5×3。どちらも名血名牝の血を含む3/4同血クロスを持ち、配合的にも出るべくして出たチャンピオンというべきだ。
両者にとって東京芝2000mはベストコースといえるし、手綱を執るのはルメールとスミヨンの名手二人。最高レベルのレース、極限レベルの叩き合いになるのは疑いないところで、どちらが勝っても万雷の拍手が巻き起こるだろう。
両馬を生産したノーザンファームとしては、ディープインパクトとキングカメハメハが立て続けに他界し、スタリオンのエースとしてロードカナロアの負担がさらに増すことが予想されるだけに、その最良の後継と目されるサートゥルナーリアにもうひとつ大きな勲章を取らせたい、そんな思惑は少なからずあるだろう。
そのためにわざわざスミヨンを呼んだのではないかと勘繰りたくなるほどだが、必ずしも人間の思惑通りに運ばないところに競馬の面白さがある。強すぎるがゆえに、牝馬であるがゆえに、今ではローテひとつとってもグループから持て余され気味にも映るアーモンドアイ。外野としてはこちらに肩入れしたくなる。
(文=望田潤)
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