現在行われている平地重賞競走の中ではもっとも長い距離で行われる暮れの名物レース。中山競馬場の内回りコースを2周。コーナーを8回まわるので馬の能力はもちろんジョッキーの腕も問われるようなレースだ。過去10年で1〜3番人気は6勝2着5回3着5回と堅調傾向。1番人気限れば5勝2着1回3着1回と人気に応えるケースが多く、とくに15年から昨年まで5年連続連対中だ。特殊な条件でもあり、同じ馬が何度も好走するケースが多く見受けられる。
◎ポンデザールは宝塚記念に勝ったサトノクラウンの半妹。母系はスプリンター系だが、ハーツクライにはスピードのある母系が良く似合う。本馬は芝2600m戦で4戦4勝。まだ重賞競走での連対実績はないが、GI級が顔を揃えた札幌記念でも4着と健闘しており、力を付けている印象だ。ルメール騎手が手綱を取るのも心強い。
ディープインパクト産駒の○シルヴァンシャーは母も米国年度代表馬という名血。なかなか順調に使い込めない馬だが、3歳秋から4歳春にかけて2000m以上のレースで3連勝を記録しており、長距離レースに対する適性は高い。今春の天皇賞は、さすがに7ヶ月ぶりのGI競走は厳しかった。気になるのは、京都大賞典での大幅馬体減。評価が難しいところだ。
▲メイショウテンゲンは、昨年のこのレース5番人気で4着。今春の天皇賞は上がりの早いレース展開になって8着だったが、ダイヤモンドS2着、阪神大賞典3着と長距離レースに対する適性は高いし、中山競馬場も弥生賞を勝っているくらいだから得意と言ってよいと思う。この馬も前走で大幅馬体減だが、1週前にしっかりと追い切られており、立て直されたと判断したい。
△ボスジラは菊花賞3着ポポカテペトルの全弟。全妹のミヤマザクラも昨年の札幌競馬2000m戦をレコード勝ちで、オークスでもデアリングタクトからコンマ5秒(7着)と健闘したようにスタミナに優れたファミリーだ。自身も全5勝中4勝を2400m以上戦で挙げており、スタミナ自慢の1頭だ。逃げ馬不在のメンバー構成となって△オセアグレイトの先行力と、スタミナに優れていそうな△タガノディアマンテ。それからここに狙いを絞ってきた△アルバートも抑えておきたい。