アメリカ勢とUAE勢が圧倒的に強いドバイワールドカップだが、今年は両陣営からの強力馬不在で混戦模様だ。レースの傾向は、2019年の1着サンダースノー、2着グロンコウスキーのように、逃げ・先行が有利。最近4年間の結果を見ても、差しで勝ったのはスタートで大きく出遅れた2017年のアロゲートのみ。ただ、そもそもアロゲートは逃げ馬で、最後の直線入り口では3番手まで追い上げていた。
今年の出走馬のうち、アメリカかUAE調教馬で先行力があるのは、ミスティックガイドだ。米国調教馬の4歳牡馬は、前走のG3レイザーバックハンデキャップでは、水が浮く不良馬場の中、好位から直線鋭く伸びてG2ジムダンディステークスに続く重賞2勝目を飾った。G1未勝利と小粒感は否めないが、ゴドルフィン陣営が送る一番の刺客だけに侮れない。
昨年に開催されていれば本命に推したかったチュウワウィザードは、前走サウジカップではスタートで後手を踏んで9着に敗れたが、好位から抜け出して6馬身差と圧勝した昨年の川崎記念のような競馬ができれば、見せ場はあるはずだ。
他には本番と同距離で同コースの前哨戦G1アル・マクトゥームチャレンジラウンド3を先行策から抜け出して優勝したサルートザソルジャー、2019年のアル・マクトゥームチャレンジラウンド3ではその年のドバイワールドカップ馬サンダースノーを9.5馬身ちぎったキャッペッザーノまで手を伸ばしたい。
◎ミスティックガイド
◯チュウワウィザード
▲サルートザソルジャー
△キャッペッザーノ
(文:一野洋)