10日(日)小倉5R新馬戦に出走予定のシリンガバルガリス(写真奥6月29日撮影:井内利彰)
2021年の3回小倉の4日目に行われた芝1800mの新馬戦。ここを勝ったのが、当時は3番人気のピースオブエイト。その後は3歳3月までレース間隔があくが、1勝Cを勝って、毎日杯で重賞制覇。無傷で日本ダービーに出走している。
この時の3着がヴェローナシチー。こちらは2歳12月の2戦目できっちり勝ち上がり、その後は勝ち星こそないものの、重賞やオープンで2着、3着と堅実な走りを見せている。2着グランディアも2歳9月に未勝利を勝ち、3歳1月には1勝クラスを勝利。非常にレベルの高い新馬だっただけに、今年の同番組がどんなレースになるか、今から楽しみ。
【7月9日(土) 小倉芝1200m】
◆ストリンジェンド(牡、父キンシャサノキセキ、母フォルテピアノ、栗東・音無秀孝厩舎)
母系には同厩舎で管理され、2009年に天皇賞秋、マイルCSを制したカンパニー(父ミラクルアドマイヤ)や2011年天皇賞秋を制したトーセンジョーダン(父ジャングルポケット)がいる血統。
本馬は4月29日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。ゲート試験合格後に一度放牧へ出て、6月11日に再入厩。6月16日に坂路での併せ馬でサンライズノヴァに先着する動きを見せると、翌週には古馬2勝Cにも先着。6月29日の坂路では3歳未勝利に遅れたが、4F51.7秒と全体時計は速く、週を追うごとに時計を詰めており、出走態勢が整ってきた。
【7月10日(日) 小倉芝1800m】
◆シリンガバルガリス(牡、父オルフェーヴル、母ライラックスアンドレース、栗東・松永幹夫厩舎)
全姉に同厩舎で管理され、エリザベス女王杯連覇、牡馬相手の大阪杯などGIで4勝を挙げたラッキーライラックがいる。「顔の小さいところなんかは、姉に似ていますね」と松永幹夫調教師。
最初の栗東入厩は4月でゲート試験合格まで無事にクリア。その後は牧場での調整を経て、6月7日にノーザンFしがらきから再入厩。翌日には坂路で時計を出すなど、順調に追い切りを進めていき、6月29日にはレースで騎乗予定の松山弘平騎手が跨り、CWでの併せ馬。6F82.5秒で少し地味にも映る動きだったが、並びかけてからの手応えが楽だったし、追ってからの動きが見映えするタイプ。実戦での走りに注目したい。
◆ラヴェル(牝、父キタサンブラック、母サンブルエミューズ、栗東・矢作芳人厩舎)
半兄ヴェスターヴァルト(父ノヴェリスト)はファルコンS3着などの重賞実績があり、芝で4勝を挙げている。半姉ナミュールはチューリップ賞で重賞を制し、桜花賞は1番人気に支持された馬。桜花賞は10着だったが、オークスでは3着と巻き返しており、秋の活躍が楽しみ。
本馬は5月12日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。ゲート試験合格後も在厩したまま調整を続け、坂路とCWを併用した追い切り。6月22日のCWでの動きはやや地味だったが、6月30日のCWでは古馬1勝Cを追走して先着する動き。6F78.9秒と時計も速く、着実に出走態勢が整っているという動きと見てよいだろう。
【7月10日(日) 小倉芝1200m】
◆ベロニカブレイン(牝、父アドマイヤムーン、母ドゥーアール、栗東・北出成人厩舎)
母系に2021年と2022年のかしわ記念で2年連続2着、2021年武蔵野Sで重賞制覇の実績があるソリストサンダー(父トビーズコーナー)がいる血統。
本馬は6月8日のゲート試験に合格。その後は坂路中心に追い切りを進めていき、6月29日はCWでレースにも騎乗予定の亀田温心騎手が騎乗。3頭併せの真ん中に位置して、外の古馬2勝Cには遅れたものの、6F82.8秒とまずまずの時計で動くことができている。6月22日の坂路では古馬OPのレディバグと併せて食い下がる動きを見せていたり、併せ馬で見せている動きなら、十分に初戦からやれそう。
(取材・文:井内利彰)