6月中京の新馬戦を楽勝したプロトポロス(C)netkeiba.com
9月4日に小倉競馬場で行われる小倉2歳S(2歳・GIII・芝1200m)。6月のデビュー戦で単勝1.4倍の圧倒的支持に応える圧勝劇を見せたプロトポロス(牡2、栗東・西村真幸厩舎)が重賞初制覇を狙う。
プロトポロスは父War Front、母キャヴァルドレ、母の父サンデーブレイクという血統。一見日本に馴染みのない同馬の血統について記していく。
母の父サンデーブレイクはノースヒルズの生産馬で、1歳時に日本から渡米した。半姉には二冠牝馬ファレノプシス、半弟に日本ダービー馬キズナ、従兄弟にはビワハヤヒデやナリタブライアンなどがいる良血馬。前田幸治氏の所有馬として現地で競走馬生活を送り、2002年のピーターパンS(米G2)を制するなど活躍。現役引退後はアメリカで種牡馬となり、その後フランスに渡った。
フランスで生まれた産駒のうちの1頭がプロトポロスの母キャヴァルドレ。キャヴァルドレは2歳時にカルヴァドス賞(仏G3)を制し、同年のBCジュベナイルフィリーズターフ(米G1)でも3着となるなど活躍した。
プロトポロスの父War Frontは米国産馬。デインヒル、グリーンデザートなどを通じて世界中に父系を伸ばす大種牡馬Danzigが晩年に送り出した直仔で、血統表の中に抱えるNorthern Dancer2×5のインブリードが父の偉大さを感じさせる。
War Front自身は現役時代に米G2を制したもののG1に手が届かなかったが、種牡馬入り後に数々の活躍馬を輩出。現在日本で種牡馬生活を送るザファクター、デクラレーションオブウォー、アメリカンペイトリオットはいずれもWar Frontの後継種牡馬だ。
日本での代表産駒に5月新潟の障害戦で2着に5.1秒差をつけて圧勝したフォッサマグナがいるが、中央・地方含めて重賞勝ちはない。新馬戦で悠々と楽勝した期待の直仔が小倉芝1200mでどのようなパフォーマンスを見せるか、要注目である。