◆第74回朝日杯FS・G1(12月18日、阪神競馬場・芝1600メートル)
第74回朝日杯フューチュリティS・G1は18日、阪神競馬場の芝1600メートルで行われる。阪神JFに続いて3勝馬不在のなか、主役候補の一頭となるのが、近10年間の2歳G1で計4勝を誇る「ダノン」が送り出す
ダノンタッチダウン。20年のホープフルSを制した
ダノンザキッドの半弟で、きょうだい馬2組目となるホープフルS&朝日杯FS制覇を目指す。
短距離王国・安田隆厩舎が送り出す
ダノンタッチダウンには、史上4組目のきょうだい馬によるJRA2歳G1制覇がかかる。兄は20年ホープフルS覇者の
ダノンザキッド。きょうだいで距離の異なる2歳G1を勝てば2組目だ。「3連勝でG1を勝ったお兄さんと比べるのは難しいですが、負けないくらいのいいものは持っていると思います」。兄も管理する安田隆調教師は弟の潜在能力に大きな期待をかける。
21年セレクトセールで2億4000万円がついたエリート候補。馬体が完成していないなかでも結果を残し、大舞台に駒を進めてきた。安田隆師が「勝ちに等しい負け」と振り返る前走のデイリー杯2歳Sは後方待機から大外一気。スローペースで逃げ切った
オールパルフェこそとらえ切れなかったが、上がり33秒1の豪脚で半馬身差まで詰め寄った。「川田ジョッキーも『ひ弱さがあるのにあれだけの脚を使ってくれました。いずれはすごくなってくれると思います』と話していました」。上がり3ハロンはデビュー戦で次位に0秒7差、前走で0秒9差と、まさに“異次元”の切れ味だ。
中間も順調だ。1週前追い切りは斎藤(レースは川田)が手綱を執り、栗東・CWコースで
ラリベラ(3歳1勝クラス)と併せ馬。4馬身ほど追走し、ラスト11秒4と鋭く伸びて併入した。6ハロンは80秒6で自己ベストを1秒4も更新し、斎藤は「まだ後肢が緩くてこれからだと思いますが、徐々に良くなっています。G1を意識できる馬」と評価。負荷をかけられるようになったのも成長の証しだろう。
「直線の長いコースは合いますし、今回の舞台はこの馬の見せ場。前走後も順調ですし、期待に応えてほしいですね」と指揮官は力を込めた。暮れの仁川で、まずは世代最初の牡馬NO1に名乗りを上げる。(戸田 和彦)