小倉最終騎乗セレモニーで花束を贈呈された福永(中央)と駆け付けた師匠の北橋修二元調教師
現役最後となる小倉での騎乗で2勝、2着2回、3着2回の大活躍。3月から調教師に転身する福永祐一騎手(46)=栗東・フリー=が、黒山のスタンドを沸かせた。
最終レース後のセレモニーでは、感謝の気持ちをにじませながら思い出を振り返った。若手時代は小倉に滞在していたこともあり、「僕も若かったので、はしゃいでいろいろな場所で遊んでいたけど、食べ物もおいしいし、人も優しいし、小倉は僕にとって青春でした」。駆け付けた師匠の北橋修二氏も見守る中、この日2勝を上乗せして小倉では通算247勝(うち重賞6勝)。1、7Rでは、背中を追い続けた武豊とのワンツーを決めた。
大先輩がセレモニーを欠席したことについては「サザエさんが始まるって言って、帰って行きました」と冗談めかしたが、「ユタカさんとはまだ一緒に乗りますからね。久々に小倉で乗って、ユタカさんとは最後の直線で接戦になることが多くて、負けちゃったんですが、すごく楽しかったです。いい思い出になりました」と充実感をにじませた。
この日の来場者は6942人。福永と武豊を一目見ようと先週土曜(4281人)と比べて1・5倍以上のファンが詰めかけ、指定席は今開催初の完売に。「お客さんがたくさん入っているスタンドを見ると、後ろ髪を引かれる思いはあります。でもきょうは来ていただいたお客さんに満足してもらえるレースができたと思います。小倉に来て良かったです」。多くの声援をその背に受け、小倉に別れを告げた。