「セレクトセール2023」(11日、ノーザンホースパーク)
当歳馬231頭が上場した2日目の目玉は、20年の無敗3冠馬
コントレイルの
ファーストクロップ。当歳セリ史上歴代3位にあたる5億2000万円で落札された「
コンヴィクション223」(牡)など、いずれも高値が付けられた。初年度の当歳セリにおける取引額シェアは、ディープインパクト産駒が初登場した08年を上回る17・4%。偉大な父を越え、今後の種牡馬界をグイグイけん引していく。(※金額は全て税抜き)
当歳セリでひときわ多くの熱視線を集めたのは、前評判通り、令和の無敗3冠馬
コントレイルの
ファーストクロップだった。その大きな期待度を表すように産駒の価格は軒並み高騰。20頭が上場されて、
ミリオンホースが8頭、総額25億7200万円と活況を呈した。
最大の目玉は、ア
ルゼンチンG1・フィルベルトレレナ大賞典の覇者を母に持つ
コンヴィクション223(牡)。最低落札価格5000万円からスタートすると、価格はみるみる上昇。最終的には当歳セリ史上歴代3位となる5億2000万円でハンマーが落ちた。
落札した(株)ノースヒルズの前田幸治代表は「予算は3億円でしたが、いい馬だったので引くに引けず。うちの
ディレクターと福永調教師も『一番いい馬』だと話していたので、絶対に取ろうと腹の中で決めていました」と力が入った様子。来年からの開業を目指す福永師に預託予定で、「僕の最大の開業祝い」とほほ笑んだ。現役時に父の主戦を務めた福永師も「
コントレイルらしい品の良さ、
バランスの良さを感じる。牧場と連携して、競走馬としての準備を整えていきたい」と気合を入れた。
その他にも、母が愛G3勝ち馬で英オークス3着の実績馬
バイバイベイビー23(牡)が3億3000万円の高値で落札。購入したのは父の馬主でもあった前田晋二氏で、父を管理した矢作厩舎に入厩予定。トレーナーは「さすがにちょっと高かった」と苦笑しつつ、「(父が)それだけ高く評価されているんだと改めて感じた」と誇らしそうに胸を張った。
早くもディープインパクトの後継筆頭と目される
コントレイル。群雄割拠の種牡馬界において、父以上の
スーパーサイヤーを目指していく。