◆第23回アイビスサマーダッシュ・G3(7月30日、新潟競馬場・直線芝1000メートル)
新潟開催のオープニングを飾る第23回アイビスSD・G3(30日、新潟)に、
トキメキが3年連続で参戦する。馬主のミル
ファームは直線競馬で圧倒的な出走数を誇り、昨年は
ビリーバーで重賞初制覇を飾った。庭とも言える舞台で、馬主として連覇を目指す。
今年も熱い夏にする。ミル
ファームは昨年のこのレースに送り出した
ビリーバーで待望の重賞初制覇。今年は同じく牝馬の
トキメキを送り込む。一昨年は4着、昨年は11着だが、斎藤誠調教師は「1000メートルにも、だいぶん慣れてきた。状態はいいと思う。やれると思います」と“三度目の正直”へ手応えを口にした。
20年驚き12頭出走 強いこだわりを感じる。ミル
ファームは新潟の直線1000メートルが新設された01年以降、初勝利が11年の9月の
レイクエルフ(稲妻特別)と遅かったが、のべ491頭を出走させ、21勝を挙げてきた。ともに2位以下を大きく突き放すトップの数字だ。20年には開催初日(7月25日)の2歳未勝利でフルゲート16頭中、実に12頭を送り込み、同一馬主の史上最多出走記録をマーク。21年にも同舞台の2歳未勝利(8月1日)に10頭を出走させて、ワンツーフィニッシュを果たすなど、夏の越後路を盛り上げてきた。直線競馬の“顔”と言っていい。
レース傾向も後押しする。アイビスSDは牝馬が過去15年で10勝を挙げている。ここ7年連続でも2頭が馬券圏内に入っており、20年から3年連続で勝利。圧倒的な強さを誇る。
トキメキ自身も「夏は牝馬」を体現するようにメキメキと状態を上げるタイプだ。前走の韋駄天S3着後はバロ
メーターでもある、いい意味でのうるささが出てきた。
相性抜群のタッグ 「この馬はそれがなくなったら走らないでしょうから。夏はいいと思う。やれると思います」。そう力を込めた斎藤誠師にとっては母やきょうだい3頭も手がけた厩舎ゆかりの血統馬。ミル
ファームとのコンビは22勝と調教師別でトップの成績も残す。相性抜群のタッグが“
トキメキの夏”を演出する。(石行 佑介)
ミル
ファームあらかると
▽調教師
トキメキを管理する斎藤誠厩舎で22勝とトップ。以下は手塚厩舎(19勝)、石毛厩舎(17勝)と続く。
▽騎手 杉原が32勝でトップ。
トキメキに騎乗予定の松岡は7勝で10位。武豊騎乗での勝利はない。
▽種牡馬 出走数1位はプリサイスエンド産駒で416回。同2位は昨年の
ビリーバーの父
モンテロッソで270回で、3位はパイロの230回。すべて短距離色が非常に強い馬たちだ。
▽コース 中山のダート1200メートルでトップの27勝。2位は福島の芝1200メートルが24勝で続き、新潟芝1000メートルは3位の21勝。
▽距離 全211勝中、半分以上の126勝を6ハロン以下で挙げる。最多は1200メートルで実に91勝。1000メートルでは2位の29勝をマークする。逆に2000メートルを超えると3勝のみ。
◆ミル
ファーム 北海道浦河町にある競走馬の生産牧場で、馬主でもあるオーナーブリーダー。1999年8月に生産馬のユーワファルコンが初めてJRAで走り、同馬は翌年の中日スポーツ杯4歳S(当時)を制覇。馬主としては03年にJRA初出走。15年のヴィクトリアマイルで18番人気ながら3着に入り、3連単2070万円馬券を演出した
ミナレットなどを送り出したが、重賞は昨年のアイビスSDが初制覇。その後、
キタウイングが重賞2勝を挙げた。