JRA史上初めて女性調教師としてG1に挑む前川師とモズメイメイ(撮影・石湯恒介)
「高松宮記念・G1」(30日、中京)
JRA史上初の女性調教師として今月5日に厩舎を開業した前川恭子調教師(47)=栗東=が、早くもG1舞台に管理馬
モズメイメイを送り込む。18日の高知競馬で初勝利(
サンライズアレス)、23日の阪神4RでJRA初V(
ミトノオルフェ)と順調な滑り出しを決めた指揮官が、
グレード制導入以降で史上最速となる開業日から「26日」でのJRA・G1初制覇に挑む。
5日に厩舎を開業したばかりの前川師が、早くもJRA・G1に管理馬を送り出す。阪急杯9着からの変わり身を目指す
モズメイメイ。4日に定年解散した音無厩舎からの転厩馬だ。
かつては快速を武器にチューリップ賞や葵Sを華麗に逃げ切ったが、壁にぶち当たると徐々に差す競馬へとモデル
チェンジ。昨年のサ
マースプリントシリーズでは北九州記念3着→アイビスSD1着→
セントウルS3着と大活躍した。その後は不振続きとはいえ、重賞3勝の実績は侮れない。
「精神的に強くて、すぐに厩舎(の環境)にも慣れてくれました。それに音無厩舎時代と同じ担当者(内徳厩務員)ですからね。カイバ食いも問題はないです」と前川師。転厩初戦で担当者に変更がないのは大きな強み。だからこその言葉だ。調整も順調そのもので、今週も乗り慣れた松若を背に栗東坂路で4F51秒7-12秒1を馬なりでマーク。巻き返しへの準備を着々と整えてきた。
「しまいだけの予定でしたが、(時計は)速くなりましたね。でも、それだけ具合がいいということでしょう。(馬体に)硬いところがあって、いつもハッキングからほぐしていますが、松若君も『柔らかくなっている』と言ってくれています。夏がいい馬なので、柔らかくなって変わってくれれば」と気温上昇での激変に期待を込めた。
厩舎開業から『26日』でのG1制覇となれば史上最速の快挙。トレーナーは「どの条件でも精いっぱいに行うのは同じですからね」と冷静に話す一方で「G1を使うような馬を預けてくださったオーナーさんには感謝ですね。期待に応えられるように頑張りたい」と気合を込める。あくまでも自然体で、それでも全力に-。前川師のスパイスが加わった
モズメイメイが強豪相手のG1で大激変をもくろむ。