コックスプレートでプログノーシス(奥の黒帽)を8馬身ちぎったヴィアシスティーナ(提供:Yulong Stud)
4月12日(土)に豪州・ランドウィック競馬場で行われるクイーンエリザベスステークス(3歳上・豪G1・芝2000m)。今年はジオグリフ、ローシャムパークの2頭が日本馬初戴冠を目指すが、“豪州の現役最強牝馬”ヴィアシスティーナ(Via Sistina)が立ちはだかる。
同馬は父Fastnet Rock、母Nigh、母の父Galileoという血統の7歳牝馬。21年に欧州でデビューを迎え、23年のプリティポリーS(愛G1)など重賞3勝を挙げたのち、24年から豪州に本拠地を移す。初戦のランヴェットS(豪G1)を制して好スタートを切ると、続くクイーンエリザベスS(豪G1)は2着に敗れたものの、その後つぎつぎとビッグタイトルを獲得。欧州所属時と合わせて、これまでにG1・8勝を飾っている。
とりわけ、昨年10月のコックスプレート(豪G1)は衝撃的だった。日本のプログノーシスが手応えよく運び、勝負どころで仕掛けようとした瞬間、並ぶ間もなくかわし去ったのがヴィアシスティーナ。直線では勢いそのままに後続をちぎり捨て、鞍上のJ.マクドナルド騎手は残り50m地点で立ち上がり大きな喜びを表した。最後は2着のプログノーシスに8馬身差を付けるレコード勝ち。同レースで獲得したレーティングは127。シティオブトロイとローレルリバーに次いで年間3位となり、牝馬では世界最高順位となった。
それだけの実力馬でありながら、今回は1番ゲートを引く運にも恵まれた。ランドウィックの芝2000mはコーナー途中からスタートするため、極端に包まれなければ、最内は絶好枠といえる。まさに「鬼に金棒」。日本馬はヴィアシスティーナの高い壁を乗り越え、プログノーシスの雪辱を果たすことができるだろうか。それともふたたび、ヴィアシスティーナが日本のファンに衝撃を与えるだろうか。